生後3ヶ月直前に退院し、初めて帰宅した息子。
ようやく一緒に過ごせることとなったのと同時に在宅酸素となり、モニター地獄が家でも始まってしまったのだった。


家で過ごす息子は付き添い入院のときよりも全然ぐずらなかった。

基本的に夜と眠いとき以外はぐずらない。
本当によく寝る。
起きる(起こす)→授乳→一時間ほどでぐずる→寝る→起きる(起こす)→授乳→……
みたいなループだった。



 SPO2モニターと酸素発生装置


今思うととても在宅酸素はしんどかった。

相変わらずモニターのコードと酸素のチューブが邪魔で仕方なくて抱っこもしにくいままだった。
足の裏で測るタイプだが、足をバタバタするとすぐにうまくサチュレーションが拾えなくなってアラームが鳴りまくるのは病院以上だった。
音量は一番下げてもけっこううるさかった。

足に着けていたセンサー部は火傷防止のために半日に一度巻き替えていたが、センサーはちゃんと留めないと断線しやすく本当にややこしい。
プローブは高いらしく頻繁には交換できなそうだった。(頼めば持ってきてくれるけれど)


プラ○マクラスターの加湿空気清浄機くらいの大きさの酸素発生装置から家中に酸素のチューブが這わされているのも気を遣った。
チューブは太くてしっかりしているのでイメージとしてはホースに近く、踏んでしまっても酸素が遮断されることはなかったが、太いのでドアが閉まらなかった。
寒い時期だったのですきま風がつらかった。



 鼻のカニューレ


息子は鼻のカニューレ(鼻の穴のところに穴が空いた酸素を吸うチューブ)を外しまくって目が離せなかった。

そりゃ顔に何かついているのは不快なのでしょうが、こっちは命を守るために必死でしたよ。

病院ではカニューレをこめかみのあたりにテープで留めていたが、家では取られないためにさらに鼻のわきでも留めたりしていた。
テープは肌に優しいものを選ぶと粘着力が弱くてすぐ剥がされるし、かと言って粘着力が強いと肌が荒れてしまうから大変だった。
毎日何度もテープを貼り替えていた。
 
↑貼っても浮いてきちゃったりしてた

しかも病院で使っていたカニューレと違い、チューブが太めで、鼻の部分が硬く鼻の穴に差し込む爪の間隔が広かった。
チューブが太いとしっかりしている分捻れても酸素は流れやすいが、テープが止めにくかった。ずれるし。
鼻の部分が硬くて厚めなのは、直母すると私の胸に刺さって痛かった。アザになった。
爪の間隔が広いから鼻の穴がひろがる勢いだった。それも嫌で外したがったのかもしれない。

業者に頼んだら乳児用を持ってきてくれたが、今度は爪のないタイプだった。鼻の穴の間隔に合わせて酸素が出る穴が2つ空いているだけのもの。
これは息子には向いてなかった。
カニューレが少しずれると穴が鼻ではない向きになってしまい、酸素がちゃんと吸えなくなりサチュレーションが下がってしまった。
病院で使っていたのと同じものをどうにか使えないか頼んで取り寄せてもらったが、鼻水が爪からチューブに入ってすぐダメにしてしまい結局は元のカニューレに戻った。



 酸素ボンベ


移動するときは酸素発生装置を持ち歩くわけにはいかないので、家の周りなどをベビーカーで散歩するときは酸素ボンベを持ち歩かなくてはいけなかった。(あとで聞いたら炊飯器くらいのサイズの持ち運べる酸素発生装置もあったようだ)

ボンベは剥き出しではなく専用のリュックに入れられる。
重さはそれほどでもないが、リュックを背負うと背中に当たってなかなか痛かった。
人間の背はS字を描いているのに硬いボンベで背中を垂直にされるのは無理がある。

だから移動はほぼベビーカー。下のバスケット部分にボンベが入れられて便利。
息子がベビーカーを嫌がらなかったのは本当に幸いだった。

ボンベの酸素は毎日散歩するだけでもガンガン減る。
当然車で1時間弱の病院まで往復するとかなり中身が減ってしまう。(病院内では車輪のついた酸素ボンベを貸してくれたが、荷物が増えて複数の科を受診するのには移動が大変だった)
そんなわけでいつも多めに酸素ボンベを届けてもらっていた。

コロナが猛威を奮う現在、インド(でしたっけ?)の酸素ボンベ不足のニュースを見たときはもしかして今も在宅酸素だったら酸素ボンベって多めにもらうことはできていなかったのだろうかと思う。

こんな生活が生後6ヶ月前くらいまで続いた。