一般質問 1.里親制度の推進について
小池質問 まず最初に、1.里親制度の推進についてお聞きします。
これまでから、この件につきましては質問を重ねてきておりますが、まず、里親制度の実施機関は大阪府となっております。近年の枚方市の里親の登録状況や養子縁組の成立状況について、お聞きします。
子ども未来部長答弁
大阪府に登録している本市の養子縁組里親の人数は、中央子ども家庭センターからお聞きしている各年度末の数値でございますが、令和元年度で3人、令和2年度は3人、令和3年度は4人で、大阪府の実施している養育里親であるはぐくみホームの登録者は、令和元年度は6人、令和2年度も6人、令和3年度は7人となっております。そのうち、この間に特別養子縁組が成立した数は、令和元年度は1組、令和2年度は0組、令和3年度は2組となっております。
小池質問
養子縁組里親と養育里親の登録者数については、若干ではあるものの増えているということです。特別養子縁組に関しては、縁組成立後、里親登録の数からは消えてしまうんですが、枚方市に里親の数は着実に増えていることが伺えます。
里親制度を推進するために、市民の皆さんの里親制度への理解の促進が重要だと思いますが、10月4日は、里親制度の運営要綱が発出されたことを記念して、里親の日、また10月は里親月間とされています。厚生労働省が里親啓発の取組を行っておりますが、市では何か取り組まれるのか、また、市では里親担当職員を設置されていますが、現在の取組状況をお聞きします。
子ども未来部長答弁
本市では、10月の里親月間において、里親支援機関おひさまと連携し、映画上映会やパネル展示会など様々なイベントを実施する予定としております。これらにつきましては、里親月間の取組として、ホームページや『広報ひらかた』10月号に掲載し、周知、啓発を行う予定でございます。
また、本市では、令和2年度より里親担当職員を配置し、おひさまと連携し、啓発イベントや個別相談会を共催で実施するほか、小学生がいる全ての家庭へのチラシ配布や広報、ホームページで普及、啓発に取り組んでおります。
さらに今年度は、新たにショートステイ協力家庭事業の実施に向けて、説明会や研修会の開催等に取り組んできたところでございます。
小池質問
市の里親担当職員がおひさまと連携して様々な普及、啓発に取り組むとともに、ショートステイ協力家庭の業務も担当しているということですので、引き続き、里親制度が市民に浸透するように取り組んでいただきたいと思います。
本市では、これまでファミリーサポートセンター事業を実施していますが、御答弁にもありましたように、今年度から、ショートステイ協力家庭事業を始められました。このショートステイ協力家庭事業はファミリーサポートセンター事業とどう違うのか、また、併せてこれまでの進捗状況をお聞きします。
子ども未来部長答弁
ファミリーサポートセンター事業は、おおむね生後3か月から中学就学前までの子どもの預かりや送迎など援助の必要な子育て家庭と、援助できる有償ボランティアを結ぶ事業で、日帰りでの利用となっております。一方、ショートステイ協力家庭事業は、宿泊を伴う預かりとなり、預かる子どもの対象年齢を2歳から小学4年生までとしております。
ショートステイ協力家庭事業の進捗につきましては、今年度に入って、まずはファミリーサポートセンター事業の提供会員向けに事業実施についてチラシを作成、配布し、周知を図りました。その後、5月に開催した説明会で里親制度につなげていく事業であることなどを説明するとともに、6月には、宿泊を伴う預かりとなる上での留意点などの研修を実施し、それぞれ6名の方に御参加いただきました。その結果、2名の方から協力家庭への登録申請をお受けし、現在に至っております。
これまで事業の利用実績はまだございませんが、利用が必要と思われる児童がある場合には、登録家庭と調整を行った上、御利用いただき、長期的に子どもを預かる里親の普及につなげていきたいと考えております。
小池質問
ショートステイ協力家庭事業の実施によって、養育里親へのハードルが下がるとともに、数ある里親制度の周知という点では効果があるものと考えております。今年度は、6人の方が研修を受講されて、2名の方に登録いただき、御利用はまだということですが、既に利用できる状態になっているということですので、担当課さんの取組の結果であると感謝いたします。
今後、このショートステイ協力家庭事業についてどのように取り組んでいこうとしているのか、お聞きします。
子ども未来部長答弁
ショートステイ協力家庭事業につきましては、今後も引き続き、制度の周知を図り、登録家庭を確保していきたいと考えております。それらの取組を行いつつ、協力家庭が短期的な子どもの預かりの経験を重ねていくことで、子どもを預かることへのハードルを下げ、おひさまにつないでいきたいと考えております。
また、おひさまからは、里親登録を検討されている御家庭の中に、短期間でなら預かりが可能である方がおられるともお聞きしておりますので、今後は、おひさまとのさらなる連携のもと、本事業の効果的な活用についても、引き続き検討してまいります。
小池質問
この事業は、制度の周知ということで、その先に週末里親や季節里親、養育里親につなげていく試みのものであるとのことです。ぜひこの制度を効果的に活用していただきたいと思います。
明石市では、あかし里親100%プロジェクトと銘打って、全小学校区での里親家庭の登録に取り組み、加えて、乳幼児の里親委託率100%を目標と設定しています。全ての子どもは家庭的環境で育つべきとの理念のもとです。ぜひこういった先進事例を参考に、枚方市でも取り組んでいただきたいと思います。
一方で、虐待や親の病気などの理由で、児童養護施設等に措置される児童は、枚方市を含む北河内の児童が施設入所を必要とする場合、中央子ども家庭センターの管轄外の施設に措置されます。以前に、私からも西田議員からも要望させていただいていた北河内に一つもない児童養護施設を整備することが必要だと提案しており、市ではどのようなお考えか、改めてお聞きします。
子ども未来部長答弁
本市において、児童養護施設を設置することにつきましては、入所措置権限を有する児童相談所の設置と併せて慎重に検討していきたいと考えております。
小池要望
先日、枚方市で悲しい虐待事件が起こりました。府の管轄の子ども家庭センターと市の子ども支援課の在り方を改めて検証する必要があるのではないでしょうか。
児童養護施設の設置は慎重に検討していきたいということですが、改めて、母子支援やレスパイトなど、子どもを保護、支援もつかさどる多機能な小規模児童養護施設と、相談、保護、強い権限を持った児童相談所の設置に関しては、里親制度の拡充はもちろんのこと、子どもの権利を守り、健全な養育を守るものとして、今後ともしっかりと検討していただけるよう要望します。