令和2年12月17日定例月議会 一般質問の内容です。

 

鉛筆小池質問

乳児家庭全戸訪問事業についてお伺いします。

市は、生後4か月までの乳児のいるすべての家庭を訪問し、育児に関する不安や悩みの傾聴及び相談、子育て支援に関する情報提供を行う「乳児家庭全戸訪問事業」を実施されています。厚生労働省の調査によると、特に児童虐待で死に至る子どもの年齢は0歳児が40.7%、主たる加害者が実父母となっている場合が61.1%となっており、0歳児を対象としたこの事業の必要性を強く感じます。そこで、まず乳児家庭全戸訪問事業の趣旨、令和元年度の訪問家庭対象数と訪問数をお伺いします。 

 

マイク子ども未来部長答弁

乳児家庭全戸訪問事業についてお答えいたします。

乳児家庭全戸訪問事業は、生後4か月までのすべての乳児のいる家庭を訪問し、乳児及びその保護者の心身の状況並びに養育環境の把握を行うとともに、子育てに関する情報の提供や養育についての相談、助言その他の援助を行うことで、児童虐待の早期発見や予防を図ることを目的としているものです。

子ども未来部では、母子保健法の規定による新生児訪問指導で訪問された家庭を除き、こんにちは赤ちゃん訪問として社会福祉協議会に委託して、事業を実施しております。

なお、令和元年度の訪問対象件数は2,652件で、そのうち本事業で訪問した件数は、2,002件となっています。

 

 

鉛筆小池質問

こんにちは赤ちゃん事業では、乳児全戸訪問事業の訪問家庭対象数から新生児訪問指導を受けている家庭を除いた分を実施しているということです。それでは、新生児訪問指導を実施している健康福祉部にお伺いします。

同じく新生児訪問指導の趣旨、そして訪問件数をお伺いします。

 

マイク健康福祉部長答弁

新生児期は、飛躍的な発育を遂げる時期であり、保護者にとっても新しい環境への適応など、心身ともに不安定になりやすい時期でもあることから、生後0~2か月の時期に、助産師及び保健師が直接家庭を訪問し、児の成長・発達を確認するとともに、見通しをもった育児ができるよう支援することを目的に実施しております。

令和元年度生まれの0~2か月児への新生児訪問は991件でした。

 

 

鉛筆小池質問

新生児訪問指導の件数とこんにちは赤ちゃん事業による訪問数とを合計すると、乳児家庭全戸訪問事業の対象者数を超えることとなります。これは、新生児訪問指導とこんにちは赤ちゃん事業の二重訪問があるということになります。先に行われた決算特別委員会で我が会派の岡市議員が行った質疑の中で、こんにちは赤ちゃん訪問事業の訪問に係る経費として、あくまで単純計算とはなりますが、1件あたり5,700円程度かかっていると指摘させていただきました。

5,700円に二重訪問と考えられる件数が約340件として掛けても、約200万円になります。こんにちは赤ちゃん訪問は、新生児訪問指導を受けた家庭を除いた家庭を訪問されているわけですから、これだけ二重訪問となっていることも含め、所管課として本事業をどのように評価されているのか伺います。

 

マイク子ども未来部長答弁

乳児家庭全戸訪問事業の訪問対象については、毎月月初めに生後2か月の乳児の情報を委託先の社会福祉協議会へ提供し、毎月15日に母子保健担当から新生児訪問指導を行った乳児のリストを受け取り、当該リストに基づき委託先において新生児訪問指導を受けた乳児を除外し、訪問対象リストを作成しています。ただし、リストの提供を受けた後に新生児訪問指導により訪問された乳児については、二重訪問となることがあるため、情報提供の方法に課題があると考えております。

本事業の評価につきましては、この訪問で虐待が発見されることはほとんどありませんが、相談機関など子育て支援に係る情報提供を行うことで、虐待の予防につながっている部分もあると考えます。

 

 

鉛筆小池要望

ある程度二重訪問があるという課題を認識されているのであれば、

その経費を削減して、例えば、訪問の際にお渡ししているグッズを充実させることや、その後のフォローのための訪問など別の日程、目的を設定しての訪問へとつなげるなどの業務改善があってもいいのではないのでしょうか。

また、「切れ目のない支援」という観点から意見をさせていただきますと、乳児家庭全戸訪問事業の国の実施要綱では、「訪問実施後の結果により、支援が必要と判断された家庭に対し、ケース対応会議を開催し、その結果を踏まえ、養育支援訪問事業等による支援やその他の支援に適切に結びつけるものとする。」とされています。       

これらの事業を相互に関連させながら、児童虐待の発生予防と早期発見・早期対応のための連携を図る必要があります。 

 

先ほど、こんにちは赤ちゃん事業の訪問員が一度訪問して、虐待が発見されることはほとんどないとのご答弁でした。

私は妊娠期も含めた状況などからの継続した支援の流れの中で、虐待の予防・早期発見ができると考えます。

 

こんにちは赤ちゃん訪問の事業後のフォローである養育支援訪問事業をされているのも母子保健担当です。妊娠期からの切れ目のない支援、そして先ほどの答弁からも、全戸訪問事業の効果的、効率的に事業目的が達成できるのかといった視点で考えると、妊娠健康診査から新生児訪問、こんにちは赤ちゃん訪問事業訪問、そして養育支援訪問事業まで1つの部署で所管されるべきだと思います。

他市では大阪市をはじめ、寝屋川市、高槻市、豊中市、東大阪市等でも母子保健担当や保健センターが主体的に動かしています。今後の業務改善等へも是非積極的に取り組んでいただけるよう要望とさせて頂きます。