暑い日だった
誰もいない稲荷小路を意味もなく歩いていた
ブルーのパラソルに陽が差し込んでいた
フラフラと角の洋風居酒屋に入ってビールを頼んでいた
霜で曇ったグラスの中でいく筋もの泡が煙突のように見えた
ひと口飲んで少し心が落ち着いた
さっきあゆみ書店で見つけた本を開いた
戌井昭人という人の「沓が行く。」という本だ
なんだか知らないが 表紙の写真に釣られて買ってしまった ジャケ買いってやつだ
それに超短篇という語彙も好きだ
まあ言ってみれば日常生活にはなんの役にも立たない どうでもいい文と写真だ
まるで自分のブログのように思えた が それでは戌井氏に失礼なので取り消す
さらさらと読める なにせ1ページ完結の超短篇
ビールもすすむ 2杯目は角の炭酸割りにした
あっという間に読み終わってしまった しかしちょっと余韻を楽しみたくなった
3杯目はビールに戻した 陽がパラソルから逃げていった
ボーッと通りを眺めながら
昔読んだ片岡義男のアーリーアメリカンな軽るめの小説とか
銀色夏生の思わせぶりな詩を思い出していた
そして酔いも少しだけ回ってきた。
(仙台市 稲荷小路)


