「男は背中での巻」
僕は決して最初から「男の背中」を狙ったわけではないのです、酒豪とおぼしき二人連れのネエチャンの呑みっぷりを狙ってファインダーを覗いたのですが、その後方に黒い物体を見つけてしまったのです。
それはなんと、ベンチに座っているブロンズのお嬢様に語りかけているオジサンの背中でした、彼には申し訳ないとは思いましたが、しばらくの間観察させていただきました。
しゃべり疲れたのか、目の前で繰り広げられている花の宴を眺めるでもなく見ていました、ボクたちの世代は座高に比べ足の長さが不足気味なのが特徴です、このオジサンも多分ボクと同じ団塊軍団の一員なのでしょう、ベンチに座った足が地面に届かずブラブラ揺れていました、愛嬌といえばそうもいえるし、寂しそうといえばそうもいえます。
ボクはしつっこい事にかけてはプロカメラマン並みです、しばらくオジサン・ウォッチングをしていましたが、子供たちがブロンズのお嬢様と遊び始めたため、オジサンは夢から覚醒させられてしまったのか、ゆっくりと立ち上がりました。
もちろん、ボクもオジサンを見届けてからその場を立ち去りました。コウ
