嘆異抄の中の親鸞のお言葉

「煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界はよろずのこと みなもて

そらごと たわごと まことあることなきにただ念仏のみぞ 

まことにておわします」

 

  火宅無常の世界:この世、現世、娑婆

 

この世の中に真実(真理)というものはなく、すべてが虚仮

(噓の世界)である。その中に仏教(念仏)だけが、真実(真理)

であるという意味なんだと思います。

 

昨年、池田勇諦先生が小松のお寺で法話をされたときに

この言葉を聞いて我々というか小生が40年以上研究生活を送ってきて

この自然界(世の中)を支配している科学的真理が存在すること

小生はLife Scienceで新たな薬の開発を行っていて、そこに

動かしがたい深遠な科学の真理があると、それ故研究を通して

未知の世界へ入り、新たな発見につながっていて

科学の世界ではまことあることなきでは無いと感じました。

先生の法話をお聞きし、我々が否定されたように思い・・

止めどない涙が溢れて仕方がない状態に陥ってしまいました。

 

もしこれが正しいとすると、これ以上聞法しても意味がない

とおもっていましたが、先日Zoomを使った池田先生の法話

があり、埼玉の自宅から繋いでいたので、先生に直接お話しできる

機会だと思い、思い切って悶々としていた質問をぶつけてみました。

 

すると先生から真理は二つあるとのお返事でした

一つは科学的真理もう一つは宗教的真理だということでした。

先生が小松でお話しされたのは・・・宗教的真理についてで

それであれば、納得出来ます。

 

後日、先生からお手紙をいただき 先生が新聞に投稿した「今週のことば」

の切り抜きコピーを頂きました。

河上肇が1937年に獄中で書いた「獄中贅語」にこの真理の話が出てくるそうです。

宗教的真理とは実存的真理、根源的真理・・人間の幸せが単に欲望の満足では

尽くしえない人間存在の深みを告げている と書かれています。