しかし今思うと、音楽を練習したり、公演をしたりと、音楽それ自体が人生の一部になっているのではないだろうか。
音楽家の場合、音楽を除いてしまうと、社交や食べ、飲み、眠ることだけが人生になってしまう。
「音楽」(または、学問、芸術など)と「人生」が、きれいに二分されるわけではないだろう。
ラトルが言いたかったのは、音楽のために、他の部分が犠牲になることはよくないということなのだろうか。
そういえば、古代ローマの名言に
Edere oportet, ut vivas, non vivere, ut edas.
「生きるために食べるのであり、食べるために生きるのはよろしくない」
というのがあった。