昔、日本人の「オカベ」さんと結婚するというアメリカ人女性が、「オカベ」の意味を調べると、「お」は、honorable , 「かべ」は walls ということを知った。
あら、私は "Mrs Honorable Walls" になるんだわ、と貴族にでもなるような気持ちがしたらしい。
ところが、日本に来て、「オカベ」は「オカ・ベ」と分節されることを知ってがっかりしたという。
こういう、語の切れ目を間違える現象を言語学では「異分析」metanalysis という。
たとえば、a nickname も、もともと、an ekename だったが、不定冠詞の n が後ろに付着してしまったもので、異分析によってできた語である。