女子高生社長、経営を学ぶ/ダイヤモンド社

¥1,404
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話題の女子高生社長・椎木里佳さんと経営を学ぶ本です。教えるのは彼女の実父、椎木隆太さんです。

はじめは「経営の本だし、話題だし、読んでおこうか」ぐらいの感じで、あまり期待していませんでした。

まず、アマゾンのレビューがひどい状態で、ほとんど炎上状態です。ここまでひどいと、さすがに買うのに一瞬躊躇します。でも、ほとんどネタミ、ソネミで、ここはスルーしました。

あと、表紙からして女子高生の制服の写真というのは、おじさんが買うには、ちょっと抵抗があります。それでも、読んでみますと、結構参考になりました。

まず、誤解されがちですが、本書は、女子高生社長が書いた本ではありません。彼女が、先輩経営者である実の父親に、起業と社長の仕事について教えを請うスタイルです。

内容も、大半は父親椎木隆太さんの起業ストーリーから学びます。サラリーマンから独立し、上場まで持っていた歴史は勉強になります。起業の指南の良書だと思います。

また、里佳さんも、ただの聞き役ではありません。現役社長として、鋭く合いの手を入れていきます。そこは、実父なので容赦はなく、父親もぽろりと本音を話してしまいます。

「単なる父娘」でなく、単なる「先輩・後輩社長」でもなく、絶妙な関係で、いい味が出ています。本書にも繰り返し出てくる言葉を借りると、理想的な「化学反応」が起きています。

中でも、チーム作りとか、巻き込むとかは参考になります。たとえば「社長は社員を上手にだまし、後でだまされ良かったと言ってもらえるように頑張る」というのは名言だと思います。

後半は、感動して泣きそうになりました。

レビューの中には、「親の七光り」とか「親が偉いから成功できた」といった否定的な意見が散見されますが的外れです。

たしかに、実父が上場企業の経営者だったことで、かなり有利だとは思います。

でも、経営というのは、あらゆる経営資源を動員して戦わなければ生き残れないサバイバルゲームです。

「七光りでずるい」とか言ってる時点で甘いし、そんな人は「起業なんて無理」だと思います。

そんなわけで、たしかに流行りものに便乗した本ではありますが、学ぶ所はたくさんあります。「起業したい」と考えている人は、読んでみるべき本だと思います。