『69 sixty nine』 | 赤と黒

『69 sixty nine』

 『69 sixty nine』(村上龍)

―あらすじ―
 1969年、日本では学生運動が盛んになっていた。佐世保の高校に通う3年生の矢崎剣介は、生徒たちを管理せんとする教師たちや体制に反抗するため…ではなく、本当は同級生のマドンナ・松井和子の気を惹くために、親友のアダマたちと共に一大フェスティバルの開催を企画する。さらには勘違いから、学校をバリケード封鎖しようと計画する。


 いい意味で非常にバカバカしくて笑える作品です。青春小説と言うと、主人公の悩みが書かれたりして暗い話になってしまいがちですが、この小説の主人公はとにかく前向きです。それも、根底にあるのは「モテたい、恰好つけたい」という、いかにも高校生らしいエネルギーです。その膨大なるエネルギーが、フェスティバル、さらにはバリケード封鎖といった形で爆発していました。青春小説の傑作ですね。

69 sixty nine (集英社文庫)/集英社

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