『銃口』(上下巻) | 赤と黒

『銃口』(上下巻)

 『銃口』(三浦綾子)

―あらすじ―
 昭和元年。北海道旭川の小学4年生である北森竜太は、担任である坂部先生の真っ直ぐな姿に心を打たれる。その温かい心に感銘を受けた竜太は、教師への道を選ぶことを決意。そして教師としてなり、理想に燃える竜太だったが、戦争の影が日本を覆わんとしていた…


 上下巻と長い作品ながら、著者の他の作品同様に、「読んでよかった」と感じさせてくれた作品でした。自分の信念を貫くことの大切さ、難しさ、尊さを教えてくれます。あらゆる苦難にあっても生きてゆく竜太や坂部先生の姿には、涙を禁じえません。また、竜太の人生に深くかかわってくる金俊明や近堂一等兵、山田軍曹など、誰もが魅力に溢れた人物ばかりでした。何気ない一文一文が金言です。『ビルマの竪琴』とはまた違う、素晴らしい作品です。

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