『デンデラ野』 | 赤と黒

『デンデラ野』

 『デンデラ野』(山本昌代)

―あらすじ―
 表題作の他2編からなる短編小説。現代の日常生活における、家族間の数々の問題を描く。


 どの作品もはっきりした解決がないラストで終わっており、それが不気味な雰囲気を醸し出しています。特に1作目の「豚神祀り」(とんじんまつり)は怖すぎます。娘の死因、豚を飼う理由、息子の異常な行動、友人の息子の進学、祀る理由、将来などに対する答えが全くなく、一切救いがありません。他の「デンデラ野」、「春のたより」も同様で、えもいわれぬ恐怖がありますね。明るいホラー作品です。

デンデラ野 (新潮文庫)/新潮社

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