『空の色紙』 | 赤と黒

『空の色紙』

 『空の色紙(くうのしきし)』(帚木蓬生)


―あらすじ―

 精神科医である主人公に、殺人容疑者の精神鑑定の依頼が入った。容疑者を調査していくなかで、主人公は兄(故人)と妻への想いを見つめなおすこととなる。表題作ほか2篇を収録。



 表題作「空の色紙」は、登場するそれぞれの夫婦の内面がしっかり書かれており、さらにそれらが絡み合うのが絶妙でした。そしてタイトル「空の色紙」に繋がるラストも非常に素晴らしかったです。中篇3作の中で最も面白い作品です。他の2作品は医学・医療問題ということもあり、難しくて分かりにくかったですね。


空の色紙 (新潮文庫)/新潮社

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