◆日本の高齢化に伴なって増えるであろう外国人
◇急がれる、移民政策への準備


お隣の韓国では、ここ20年間で人口に占める外国人登録者数の比率が0.1%から2%、数では5万人から110万人と大きく増えています。国際結婚については2008年には婚姻件数に占める国際結婚の比率が11%に急増しています。
 
 韓国は、外国からの移民に対して寛容な社会を作ろうと政策を転換しています。

 韓国で2009年末に国会に提案された多文化基本法案は、これまでの外国人政策からさらに一歩進み、他の言語の使用を保護、奨励し、多様な文化が共生する環境をつくるよう国や地方自治体に努力を求めるもので、より多文化主義的な社会に
 向かおうとする方向性を打ち出しています。重国籍を認める国籍法改正案も国会を通過しようとしています。人不足は日本だけの問題ではなく、日本は対策を急がなければなりません。 

※日本の一部地域における国際結婚の問題について大前学長が解説する映像はこちらです!(Youtube視聴時間2分56秒)

(大前研一ライブより抜粋 8月1日放送より)

 「韓国における外国人政策の現状と今後の展望―現地調査をふまえて、国立国会図書館調査及び立法考査局、外国の立法243(2010.3)」はこちらです。
 http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/243/024307.pdf

 大前研一学長は、日本での「移民問題」を以下のように述べています。

[人口減少する中、移民問題はきって切れない]

現状の水準から計算すると、2055年には15歳~65歳という働く年齢層の人口は、46%減るという将来推計がでています。(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口2006年12月推計」)
これだけ劇的に減少するとなると、もはや「生めよ、増やせよ」という施策では全く歯が立ちません。移民を受け入れていく以外に道はないでしょう。では、一体どのくらいの移民を受け入れることになるかというと、50年後には人口の約20%を移民に頼らなければならないというのが日本の現状なのです。
当然、それだけ多くの移民を受け入れるためには、彼らのための教育体制を整備することも必須でしょう。公民教育、言葉の教育、そして日本に住むための実務的な意味での教育を施さなければならないからです。

そして、こういった移民への教育制度も含めた、しっかりとした移民政策は今すぐアグレッシブにどんどん準備を始めるべきだと私は思います。想定されている移民の数が多いということもありますが、移民政策の準備が遅れてしまうと日本という国家自体の危機に関わるだろうと思うからです。というのは、移民政策を含めた少子化への対応が遅れれば遅れるほど、老齢人口の割合が多くなっていく社会の中で国民の不安は広がっていくでしょう。若者は高い税率に嫌気が指し、子供を生みたいと思わなくなるだろうと思います。
つまり、今の試算以上のスピードで出生率は低下し、どんどん日本に住みたいと思う人は少なくなる可能性が高いのです。このような事態が進んだときに私が一番危惧しているのは、若者が少なくなって老人を介護し、税金を払う人間が少なくなるという事態に加えて、軍隊、警察、消防などの厳しい職業に就く人が居なくなってしまうと
いうことです。

皮肉なことに日本という国は貯蓄率が世界一という国です。お金は有り余っていて、軍隊、警察は機能していない国。そんな太った豚のような国に成り下がってしまったら、「侵略してくれ」と
言っているのと同じではないでしょうか。

現在、政府は毎年900人ずつ移民を受け入れるといっていますが、こんな程度の進め方では全く話になりません。今の試算でも、毎年数十万人規模の移民を受け入れる準備をしなくてはなりません。

【今週のポイント】
・日本の人口は劇的に減少することが確実である。もはや移民を受け入れていく以外に道はない。
・50年後には人口の約20%を移民に頼らなければならないというのが日本の現状である。
・公民教育、言葉の教育、そして日本に住むための実務的な意味での教育を施さなければならない。


映像の中で紹介している韓国の国際結婚のニュースから、国際結婚の仲介が"ビジネス"化していることがうかがえます。普段、このようなニュースを「三面記事」として読み飛ばしてしまうと、単に「そうか」で終わってしまいます。
しかし、視点を変えて、違った意味を持たせて読んでみると中国やインド、タイと言った巨大な人口を持つ市場で結婚適齢期の男性が女性よりも多いことが分かります。また、かつて日本が経験したことがない深刻な「移民問題」の襲来の足音さえも感じることができるでしょう。 身近にあふれた物事を、ニュース記事とは違った視点で理解、
奥底に潜む問題を発見・考えていく力を養うのがイノベーション講座です。 
 
◆ 北半球で猛暑、南半球で寒波
◇ 手をこまねくだけでは始まらない

日本だけではなく、北半球という地球規模で変調を来たしています。

欧州や北米も猛暑です。モスクワの気温が7月として過去最高の36.7度を記録しました。反対に、今が冬の最中の南米南部は、記録的な寒波に見舞われています。気象庁の正式な定義によると、30年に1度もないような異常な気象のことを異常気象と言います。

気象庁によると異常高温の頻度は1901~30年に比べ、1975~2004年は東アジアで2.16倍、欧州で2.53倍と増えています。これからは「そのような地球になってしまった」ということを受け入れていくほかにないのでしょう。

※「猛暑」について大前学長が解説する映像はこちらです!(Youtube視聴時間1分43秒)


 (大前研一ライブより抜粋 7月25日放送より)

大前研一学長は、「危機感をバネにして生きろ」と以下のように述べています。

●危機感をバネにして生きろ

日本は石油危機を直面し、このままではすべて失うという危機感がバネになって省エネが進んだ。
円高になったら、それでも利益を出そうと努力していっそう効率的になった。
 
敗戦、石油危機、円高と、常に自分を否定せざるをえない状況に追い込まれ、それを克服することで強くなってきたのである。

ただし日本にも、国家や護送船方式に保護されてぬくぬくとしていた産業、すなわち自分を否定しなくても生きてこられた産業がたくさんある。

そういう産業は、ひとたび世界の荒波にさらされると、一気に瓦解してしまう。

農業も銀行・証券・保険も、これからは自分を否定しなければ生き残っていくことができないのだが、あまりにも長い間、ぬるま湯につかっていたせいで自分を否定する勇気が出てこない。ますます「公的支援」にすがってしまうのだ。

本当は自分を否定することが日本の普遍性なのに、 自分を否定しないことが日本的な普遍性だと勘違いし、したがって我々は変わられないと言っている。

しかし、我々は変われないと言ったその瞬間に「敗北者」なのだ。日本は自分を否定して変わることで生きてきた。これからも自分を否定して変わり続けなければ、絶対に生きていけないのだ。

一方、個人はどうすればいいのかーー。
私は常に自分はどんな価値のある仕事ができるのかということを念頭に置き、マーケットの中で価値を見いだせるような生き方をしなければならないと思う。

【今週のポイント】
・自分を否定して変わることではじめて生きていける。
・自分を否定して変わり続けなければ、絶対に生きていけないのだ。ひとたび世界の荒波にさらされると、一気に瓦解してしまう。

・自分はどんな価値のある仕事ができるのかということを念頭に置き、マーケットの中で価値を見いだせるような生き方をしなければならない。

                          
地球の気象変化に対応して、そこに棲む人間が変わることが必要な時に来ているのでしょう。

8月以降、残暑や台風にも悩まされるのではないかという予想もあります。農作物への影響が出始めるなど、気候の変動が世界経済に与えるインパクトは大きくなりそうです。世の中の変化の先を読む準備を
していますか?

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チケット販売大手のぴあが発行する関西の情報誌「ぴあ関西版」が10月に休刊します。

同誌が創刊された1986年頃というのは、学生が映画や学園祭などのイベント情報を把握しようとすると、『ぴあ』が断然重宝する情報源でした。休刊の背景にあるのは、言うまでもなく、ケータイやPCによる情報の電子化です。


ぴあが流行っている頃、パーソナル・コンピュータ(PC)が出現し始め、第1次のPCブームの真っ盛りでした。
当時は、ぴあに掲載しているような情報を読んだり、チケットを買うことをPCなどで電子的に行う時代が来るとは全く予想もつきませんでした。



今にして思えば、「ぴあ」をPCで読む(情報の電子化)という兆しが既に現れていたのですね。関係がないように見えた動きが見事にリンクしてゆきました。今現在も、産業の地殻変動をもたらす何らかの兆しが起きていることは間違いありません。



※「ぴあ関西版」の休刊について大前学長が解説する映像はこちらです!(Youtube視聴時間52秒)



(大前研一ライブより抜粋 8月1日放送より)

 大前研一学長は、「過去の成功体験が適用できない時代」を以下のように述べています。

「過去の成功体験が適用できない時代」

 ポラロイドの失敗の本質とは何だったのでしょうか。それは、成功の「型紙」をやみくもに信じてしまったことです。

 垂直統合にこだわった経営陣、短い商品サイクルに不慣れな技術者、経営空間の変容を認識できなかったマーケターなど、過去の成功体験が通用しないことに気付かなかったことが、この悲劇を生みました。

 21世紀のビジネス・プロフェッショナルに求められる条件を、「型紙」、すなわち過去の戦略なるものを立案し、これを粛々と実践することで成長できた時代は終わりました。

 一世を風靡した幾多の戦略論は、残念ながら21世紀の混迷するジャングルを生き抜く切り札とはなりえません。

 20世紀末の10数年間で、もはや戦略論の前提となる要素、つまり顧客、市場、競合を固定的に定義することはできなくなりました。従来の産業分類が用をなさなくなっていることはだれの目にも明らかです。

 それらのに、いまなお戦略論を信棒する人々が絶えません。ツールを知ったところで使い方を知らなければ、誤った前提のうえに解決策を立案することとなり、それは徒労というものです。

 いくら高度に洗練された先人たちの戦略論であろうとも、成功への道筋を考えるヒントになるかもしれませんが、正しい答えを導いてくれるとは限りません。

 前例のない現象を、過去のフレームワークや知識に照らして解釈すること自体の危うさを肝に銘じるべきです。


【今週のポイント】
・過去の成功体験が通用しないことに気付かなかったことが、ポラロイドなど旧世代の大企業の経営を苦しめている。

・前例のない現象を、過去のフレームワークや知識に照らして解釈すること
 自体の危うさを肝に銘じるべき。

・21世紀の混迷するジャングルを生き抜く切り札は、日々の継続的な学習のみ。

                         
 『ぴあ』を読む時の楽しみと言えば、情報そのものもさることながら、「はみだしぴあ」という欄外の余白に印刷された読者の"つぶやき"でした。

 編集ページには必ず余白が空いています。 そこに読者の投稿を掲載してしまうというアイデアは秀逸でした。そのつぶやきも、今やTwitterで読めてしまうようになりました。

 「ぴあ関西版」休刊のニュースは、人ごとではありません。 私たちは、「産業の突然死」と常に隣り合わせにいることを肝に銘じるべきでしょう。