米国経済対策として、総額72兆円(2年間)の追加経済対策法にオバマ大統領が署名して成立しました。
 
「ブッシュ減税」の路線を2年間さらに延長しただけの項目も存在しますが、オバマ大統領が独自に打ち出した中の一つ2011年中の設備投資の一括償却を容認――という施策が目を引きます。 

この経済効果を、簡単に計算するため、1億円を設備投資、残存価額0円と仮定してみます。
 
通常の減価償却の場合、5年償却と仮定すると、今年から5年先まで毎年会計上2,000万円を所得から控除できます(定額法を選択した場合)。

法人税率を40%とすると、法人所得税軽減効果としては毎年、800万円です。それはあくまで、黒字を毎年コンスタントに確保できるという前提のうえでのことで、経営悪化のリスクを考えれば足枷とも取れます。

翌年以降、黒字を担保するためには少なくとも毎年2,000万円以上の利益ノルマを上乗せして負うことと同じです。先々までのリスクを勘案すると、慎重に投資せざるを得ません。

しかしながら、一年で一気に償却できるのであれば、2011年に生みだす黒字余裕資金の範囲内で翌期以降の足枷を気にせずに、2011年度内の損益計算の中だけで出費判断ができます。設備投資には追い風です.
 
大前学長の解説は、以下の通りです。(約5分15秒) 
     

(10年12月19日放映「大前研一ライブ」より)


主要国の減価償却方法の概要↓(財務省ホームページより)
 
◆誰も分からない問題に対して立ち向かっているか
◇昔のやり方の微修正を繰り返しても、先延ばしにしかならない

初めて参加した上海市が読解力、数学的リテラシー(活用力)、 科学的リテラシーの全分野で1位に立ちました。
 
80年代までは、科挙で有名な中国でも、受験偏重の知識詰め込み型教育が行われていました。

国際化が迫られる中、05年から実施された新教育課程基準において自ら考えて問題解決する教育に中国は転換しています。
 
日本の「総合的な学習」に相当する「総合実践活動」を導入して、科学実験や文献研究など実践的な学習を増やしました。

中でも上海市は、国の基準に上乗せした「上海カリキュラム」と呼ぶ独自教育に取り組んでいます。

日本の複数の中堅大学の職員と一緒に飲みながら話す機会が最近ありました。彼らには、「実践的な教育」というと、 職業訓練のような“手に職を持たせる”発想しかないようでした。

「最低賃金を撤廃した“賃金特区”を日本国内に作ってもらい、その場所で、低賃金で海外と競争する」というのが彼らの発想です。

古い教育モデルの中で“勝ち組”となった彼らに、未知なる“勝ち組”モデルを学生へ教育することは難しいのだと思いました。

“熟練工”が“熟練工”を再生産しているような状態が、残念ながら日本の教育です。
大学が教育できるあるいは教育しやすい人材をプロダクト・アウト的な発想で、世の中のニーズとは関係なく送り出している結果が、就職率の数字の低さとなって現れているわけですね。

 
  
軍隊に類する武装組織を持つ約170の国家のうち、徴兵制を採用しているのは67カ国とされます(『航空軍事用語辞典』より)。   

ケネディ大統領就任演説に「国家があなたのために何をするかではなく、あなたが国家のために何ができるかを問いたまえ
 
(Asknotwhatyourcountrycandoforyou;askwhatyoucandoforyourcountry)」

という有名な一節があります。

あなたが国家のためにできること(whatyoucandoforyourcountry)の1つとして徴兵制をととらえている国が多いのではないかと思います。

日本では徴兵制がありませんが、戦中派の年配者同士が「◯◯兵学校第◯期」などと意気投合するのを身近で見ることがあります。

徴兵制の経験者たち同士の関係を想像するに、上記のような意気投合する間柄にすぐに発展するのだろうと思います。

下のような記述もあります。

「永世中立国・スイスでは、男性は18歳になると徴兵義務が課せられます。身体検査を受け、36歳までに通算260日間の兵役を果たさなければならないのです。
 (中略)

男性は軍隊生活を通して多くの友人を得る。除隊後もその関係は続き、ネットワークはスイス全土に広がる。しかも、その連携はきわめて堅固で女性またはアウトサイダーに付け入る隙を与えない」
『修羅場のビジネス突破力』p.68(佐倉住嘉著)

※「ドイツ成人義務/成人男性の徴兵制度、社会福祉活動義務」について
  大前学長が解説する映像は
 こちらです!(Youtube視聴時間2分37秒)


 (大前研一ライブより抜粋 8月29日放送より)

大前研一学長は、「税金を使わなくとも社会を豊かにし、経済を活性化する方法」について以下のように述べています。

【税金を使わなくとも社会を豊かにし、経済を活性化する方法】

イギリスの与党・保守党+自由民主党の連立政権を率いるキャメロン首相は7月15日、「大きな政府(ビッグガバメント)」ではなく「大きな社会(ビッグソサエティー)」 の建設を後押しする意向を明らかにした。

これは社会政策の多くを、慈善団体や社会的起業家などにゆだねる構想である。

サッチャー以降、イギリスは「大きな政府」か「小さな政府」かで争ってきた。 「大きな政府」とは、言ってみればバラマキ政策を行う政府だ。有権者に直接お金が渡る政策を行えば、選挙の票を集めやすい。しかし国の借金は増えるので将来は苦しくなる。

ところが、慈善団体や社会的起業家などが参画するビッグソサエティーであれば、小さな政府のまま社会政策を充実させることができる、というのだ。

私は税金を使わずに経済のパイを拡大する方法や社会活動を活発にする方法を提案してきた。
 
 その中では社会活動に個人が参画していくアイデアが含まれる。そのコンセプトを私は「グレートソサエティー」と呼んでいた。

社会(ソサエティー)を各個人が参画してつくっていくという意識を定着させれば、「大きな政府」は必要なくなる。しかし日本人の意識はまだそうなってはいない。主体性が薄く、「お客さん」的な姿勢なのである。
 
ホテルの住人みたいな意識でフロントに電話でもするかのように「おい、ゴミを集めに来ないぞ」と役所にすぐクレームの電話をかけたり、
「子ども手当もちょうだい」と言ったりして行政サービスの要求はよくする。そのくせ「税金を上げるよ」と言えば拒絶する。
 
こうした当事者意識の欠如が日本の財政を限りなく悪化させてきた。キャメロン首相の「大きな社会(ビッグソサエティー)」構想が示したように、税金を使わなくとも社会を豊かにし、経済を活性化する方法はあるのだ。
 
これもまた『民の見えざる手』(小学館)の一種である。日本もこの手のアプローチを考えるべき時に来ている。


 【今週のポイント】
・イギリスのキャメロン首相は「大きな政府(ビッグガバメント)」ではなく「大きな社会(ビッグソサエティー)」の建設を後押しする意向を明らかにした。

・これは社会政策の多くを、慈善団体や社会的起業家などにゆだねる構想である。

・日本もこの手のアプローチを考えるべき時に来ている。
                          
 

政権が交代し、どのような国家として日本をこれから再建してゆくのか。民主党の代表選挙の期間中ですが、残念ながら、日本のグランド・ビジョンを両候補がどのように描いているのか伝わってきません。
 
個人がこのまま何もせずに変わらなければ、GDP世界第2位から第3位に転落している日本と一緒に我々個人の力そして生活レベルが地盤沈下してゆくことは避けられません。
 
 あなたは一緒に地盤沈下しますか?それとも世界と伍してビジネスの世界で生きていきますか?