自分があまりうまくいっていない時、周りにいる人がみんなまぶしく見えて、自分もそんな風にならなきゃ!あんな風にしなきゃ成功できないんだ、とあせることってありませんか?
私も、起業当初はそうでした。
当時、雑誌やTVなどで華々しく取り上げられていたのは、底抜けに明るく元気で前向き、話し上手な「女性起業家」「女性社長」ばかり・・・。
私はと言えば、暗くはないけれど、体力がないので朝から晩まであんな風にがんばれないし、人前で話すのも苦手だし、スーパーポジティブにもなれない。
華々しい学歴も経歴もなければ、誇れるところもない。
まさに「ないない尽くし」の状態でした。
でも、あんな風にならないとだめなんだと勝手に思い込んで。
かなり無理をしていました。
当時は、本名で顔写真も公開していました。
雑誌の取材や新聞、TVにも出たことがあり、人脈を広げなければと呼ばれたら昼でも夜でも会合に顔を出し、とにかく名刺を配りまくり、パワフルウーマンのマネごとをする日々。
下手すると3時、4時まで飲んで、ふらふらになって家に帰り、翌日は、這うように8時くらいにやっと起きて、栄養ドリンクを飲んでなんとか仕事をする・・・。
私はどんどん疲弊していきましたが、周りのスーパーウーマン社長たちはぜ~んぜん平気なんですね。
もともとすごく体力、気力があるのでしょう。
5時くらいまで飲んで騒いで踊っていても、ちゃあんと朝7時とか8時には起きて、きりっと仕事してるんです。
あれには本当にびっくりしました。
宇宙人か!
と思いましたもの。
そこで私はさとったのです。
彼女たちと私とでは、根本的に何かが絶対的に違うんだと。
スタートラインからもう差がついている。
これは、少しくらいの努力で追いつけるものじゃない。
同じことをしていてもだめだ。
同じ路線でがんばっても永遠に追いつけないだろう。
だったら、何か別のことを考えなければ!と思いました。
残念ながら、努力したら何でも可能になるわけじゃありません。
魚は、しょせん魚。
魚が、鳥になって空を飛ぶことは永遠にできないのです。
私がやろうとしていたのは、自分は魚なのに、鳥になって空を飛ぼうとしていたのと同じこと。
だったら、空を飛ぶのはあきらめて魚が得意なことをしたらいいじゃないかと思ったのです。
でも、頭でわかっても、これを心で受け入れるのに、ずいぶん時間がかかってしまいました。
やっぱり「空を飛ぶ」ってかっこいいですもの。
憧れます。
なれるものならなりたいです。
私もそういう性格に生まれたらよかったのに・・・
とも思いましたが、そんなことを言っても何も変わりません。
やはり自分は自分なのです。
他の誰かになることは、できないのです。
どんな自分でも、まずは受け入れる。
そこから、自分の成長が始まるのではないでしょうか。
私の好きな漫画、スラムダンクにこんな言葉があります。
下手糞の上級者への道のりは己が下手さを知りて一歩目
そうです。
まずは、誰でもここから始めるのです。
自分の弱さを認めたときから、人は強くなれるのだと思います。