昨夜は、見たいと思うTV伴組が無かったので、Prmieで映画を観ていました。

2022年にイギリスで制作され、日本では昨年3月に劇場公開された『生きる LIVING』という作品です。

公開時は全く知りませんでしたが、Pmimeで概要を見ていると、黒澤明監督の作品をノーベル文学賞作家のカズオ・イシグロさんが脚本を手掛けてリメイクしたものとのことで、興味を持ったのです。

 

*ポスターの画像はネットからお借りしました

スタッフ=監督:オリバー・ハーマナス、製作:スティーブン・ウーリー&エリザベス・カールセン、脚本:カズオ・イシグロ、撮影:ジェイミー・D・ラムジー、音楽:エミリー・レビネイズ=ファルーシュほか

キャスト=ビル・ナイ(ウィリアムズ)、エイミー・ルー・ウッド(マーガレット)、アレックス・シャープ(ピーター)、トム・バーク(サザーランド)ほか

 

映画の公式HPで以下のようにINIRODUCTIONとSTORYが記載されていたので転載させて頂きます。
 

  INTRODUCTION

黒澤明の不朽の名作『生きる』(1952年)が第二次世界大戦後のイギリスを舞台に蘇る。小説「日の名残り」、「わたしを離さないで」などで知られるノーベル賞作家カズオ・イシグロは、若かりし頃にこの黒澤映画に衝撃を受け、映画が持つそのメッセージに影響されて生きてきたと語る。そんな彼が脚本を手掛け、この鬱屈した時代に新しい『生きる』を誕生させた。

イシグロは、黒澤映画の“何事も手柄が得られるからやるのではない。世間から称賛されるからやるのではなく、それが自分の成すべき事だからやる。”そんな人生観に魅力を感じており、それは、戦後の日本もイギリスも、そして現代においても変わらないと語る。オリジナルの高い評価に怯えることなく、長年抱いてきた戦前・戦後のイギリス文化への憧れを支えに、自分なりの英語の脚本を書いた。

 

監督には、「イギリスに対して先入観を持たない人物。映画的でありながら新鮮で新しい作品を作り上げることができる人物」として、2011年に『Beauty』(原題)でカンヌ国際映画祭のクィア・パルムを受賞したオリヴァー・ハーマナスに白羽の矢が立った。彼は今作を普遍的で現代に伝えるべき重要な物語だと捉えていた。オリジナルをリスペクトしながらも自分たちのものを作ることにチャレンジしたという。

 

そして制作チームが、今作を作り上げるのに必要な最初のピースとして決めていたのが、主演のビル・ナイだ。“ビル・ナイが演じる『生きる』の新しい映画”イシグロは、このコンセプトを念頭に主人公ウィリアムズを当て書きした。ビルは、そのことに感銘を受け、脚本について「とても美しく明確で、とても素晴らしい役」と感じたという。イギリスの国民的俳優である彼のその抑制された演技は、作品にとって欠かせない存在となっている。

 

完成した作品は、世界各地の映画祭にて上映され絶賛の声があがっており、本年度のオスカー候補の1本とも言われている。黒澤明×カズオ・イシグロ。他人がどう思うかではなく、自分が何をすべきか。とても質素で小さな一歩かもしれないが、70年の時を経てもなおこの映画のメッセージは、観るものすべての心に光を灯すだろう。

 

  STORY

1953年。第二次世界大戦後、いまだ復興途上のロンドン。公務員のウィリアムズ(ビル・ナイ)は、今日も同じ列車の同じ車両で通勤する。ピン・ストライプの背広に身を包み、山高帽を目深に被ったいわゆる“お堅い”英国紳士だ。役所の市民課に勤める彼は、部下に煙たがられながら事務処理に追われる毎日。家では孤独を感じ、自分の人生を空虚で無意味なものだと感じていた。そんなある日、彼は医者から癌であることを宣告され、余命半年であることを知る――。

彼は歯車でしかなかった日々に別れを告げ、自分の人生を見つめ直し始める。手遅れになる前に充実した人生を手に入れようと。仕事を放棄し、海辺のリゾートで酒を飲みバカ騒ぎをしてみるが、なんだかしっくりこない。病魔は彼の身体を蝕んでいく…。ロンドンに戻った彼は、かつて彼の下で働いていたマーガレット(エイミー・ルー・ウッド)に再会する。今の彼女は社会で自分の力を試そうとバイタリティに溢れていた。そんな彼女に惹かれ、ささやかな時間を過ごすうちに、彼はまるで啓示を受けたかのように新しい一歩を踏み出すことを決意。その一歩は、やがて無関心だったまわりの人々をも変えることになる――。

 

今回はほんのちょっとだけネタバレさせますので、以下、内容を一切しりたくない方はスルー下さい。

先に、予告編の動画リンクを貼っておきます。

 

簡単な感想は以下。

黒澤監督の作品を知らないので比較は出来ませんが、INTRODUCTIONに書かれている「他人がどう思うかではなく、自分が何をすべきか。とても質素で小さな一歩かもしれないが」というメッセージが伝わり、自分なりに考えるところがある作品でした。
STORYに記載されているように、「主人公のウィリアムズがマーガレットに再会し、新しい一歩を踏み出すことを決意。その一歩は、やがて無関心だったまわりの人々をも変える」訳ですが、時間が経つとウィリアムズの影響を受けて無関心から変わったはずのまわりの人々が、また、無関心に戻ってしまうなど、現実でもよくありそうな話も描かれています。
そういうことも含めて「他人がどう思うかではなく、自分が何をすべきか。とても質素で小さな一歩かもしれないが」というのが決して簡単なことではないと言われている気もして、結構、心に響いてきたというのが観終えた感想になります。
 
 
 
さて、今夜はこちら。
反田くんと初来日のバーゼル室内管弦楽団のコンサートを聴きに行ってきます。