凪良ゆうさんの小説『汝、星の如く』を読みました。

凪良さんは2020年に『流浪の月』で本屋大賞を受賞され、この『汝、星の如く』でまたしても2023年の本屋大賞を受賞、更に、この作品の続編『星を編む』が2024年度の大賞にノミネートされている人気作家です。

僕は『流浪の月』は読んでいました()が内容がなかなかハードだったこともあり、この作品が本屋大賞を受賞された際は、即座に読みたいとまでは思わす、一旦、文庫本化するまで待とうかと考えていました。

ところが、続編までもが大賞候補となるし、ネットなどでの評判も頗る良いので、やっぱり読みたいと思う気持ちが強くなって我慢しきれず、『汝、星の如く』と『星を編む』をセットで購入したのです。

そして、先日、『汝、星の如く』を読み終わり、現在、『星を編む』を読んでいるところですが、『汝、星の如く』について感想等を今日は書こうと思います。

*表紙の写真はネットからお借りしました
 
先ず、出版元の講談社のBOOK倶楽部というページで本書が紹介されている内容を以下に転載します。

☆2023年本屋大賞受賞作☆

【第168回直木賞候補作】【第44回吉川英治文学新人賞候補作】【2022王様のブランチBOOK大賞】【キノベス!2023 第1位】【第10回高校生直木賞候補作】【ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2022 第3位】【今月の絶対はずさない! プラチナ本 選出(「ダ・ヴィンチ」12月号)】【第2回 本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞 ノミネート】【未来屋小説大賞 第2位】【ミヤボン2022 大賞受賞】【Apple Books 2022年 今年のベストブック(フィクション部門)】

などなど、賞&ノミネート&ランクイン多数!

 

その愛は、あまりにも切ない。

 

正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。

本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。

 

ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。

 

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。

ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。

生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

 

ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

 

感想等を記載するにあたり、ストーリーはわからないように配慮しながら、一部ネタバレを含むことになると思いますので、一切知りたくない方はスルーください。

 
そして、感想を記載する前に、作者の凪良ゆうさんについて、『流浪の月』を読んだ時点では知らなかったことを書こうと思います。今年に入って直ぐ位の時期に、僕の住む街、大津市発行の広報誌「広報おおつ」の紙面に掲載された大津市文化賞の受賞者に凪良さんの名前を見つけましたびっくり
で、後から凪良さんの公式Xを見つけて辿ってみたら、以下の投稿があったのです。
https://twitter.com/nagira_yuu/status/1731883630392221776?t=3GBHpqN5I9wR3L3UWJ_edw&s=19

 

 
大津市って、凪良さんが出身、直木賞作家の今村翔吾さんが在住、今年の本屋大賞に凪良さんと並んで『成瀬は天下を取りにいく()』(僕はこの作品余り好みではありませんが…)で大賞にノミネートされている宮島未奈さんも在住、そして、凪良さんのXに記載されているように紫式部ゆかりの土地とあって、たまたまかもしれませんが、文学と結びつきが強いように思われ、自分はなにもしてないけど嬉しくなりますニコニコチョキ
 
 
更に、Wikipediaで凪良さんを検索(詳細はこちら)してみると、以下のように記載されていました。
凪良 ゆう(なぎら ゆう、1973年1月25日は、日本の小説家。滋賀県大津市生まれ。京都府京都市在住。
母子家庭に育つが、小学6年の時に母親が帰ってこなくなったことにより、児童養護施設で生活するようになる。高校を1年で自主退学した後、アルバイトを掛け持ちしながら生活した。もともとは漫画家を志望していたが、『銀河英雄伝説』の二次創作に熱中する。ボーイズラブを10年以上手掛ける一方で、それ以外の作品も執筆しており、「どこまでも世間と相いれない人たち」を一貫して描いている。2006年、「小説花丸」に掲載された中篇「恋するエゴイスト」でデビュー。2007年、自身初めての著書となる『花嫁はマリッジブルー』が出版される。2020年、『流浪の月』で第17回本屋大賞を受賞。2023年、『汝、星のごとく』で第20回本屋大賞と第10回高校生直木賞を受賞。

 

大津市出身で小学生で児童養護施設に入所、高校を自主退学して働き始めたとのこと。想像を絶するような苦労をされていることが作品の根底にあるように思えます。

以下、ネタバレを含みます。

スト―リーが分からないようにキーワードだけに留めます。

本書では、講談社の紹介に記載されているように、風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂が、ともに心に孤独と欠落を抱えながら、惹かれ合い、すれ違い、そして大人へと成長していく姿が描かれている訳ですが、その過程において具体的な内容として、親の不倫・LGBT・週刊誌報道を起点としたネットでの過剰な誹謗中傷・新興宗教団体への献金などの問題に次々と直面することが含まれています。
なので、かなり重い内容を含んではいますが、それで読むのが嫌になるのではなく、次の展開はどうなるのか知りたい、二人の成長をもっと読み進めたいと思わせるストーリー展開の凄い作品になっているし、読み終えた後も余韻が残る秀逸な小説でした。
もっと内容について触れたいところを我慢して、これくらいにしておきますが、間違いなくオススメです!!
文庫本まで待てなかったけど読んで良かったし、続編の『星を編む』もまだ序盤ですが、期待大です。