島本理生さんの小説『ファーストラヴ』を読みました。

別册文藝春秋で2016年7月から2018年1月で連載され、2018年5月に単行本刊行、2020年2月に文庫化された作品で、2018年に第159回・直木賞を受賞されています。

2020年2月にNHK BSプレミアムで真木よう子さんが主演してドラマ化、また、北川景子さん主演で2021年2月に映画化作品が公開されています。僕は、Primeビデオでこの映画に興味を持ち、マイリストに入れましたが、原作が小説と知り、先ず、そちらを読んでからにしようと手に取った訳です。

 

*表紙の写真はネットからお借りしました

 

出版元の文藝春秋のHPに特設サイトがあり、この作品は以下のように紹介されているので転載させて頂きます。

 

心の中の闇をかきわけ、はるか深いところに手が届く作品。

そこには光がある。──北方謙三

いい文章を書く人には生命力がある。──宮城谷昌光

なぜ娘は父親を殺さなければならなかったのか?

 

夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?

 

臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。

 

感想等に記載にあたり、今回もほんのちょっとだけ最小限のネタバレが含まれてしまいますので、知りたくない方は以下、スルーをお願いします。

 

 

紹介文を読むと、ミステリー小説のように思われますが、あまり謎解きのような感じではなく、臨床心理士の由紀が環菜や環菜の母親や関係者との面会を重ね、その結果、父親を殺害した背景や理由が明らかになっていく過程が丁寧に記載されていると感じましたOK
その中に性虐待や自傷と言ったことも含まれ、結構、重い内容があるので決して爽快な物語ではありません。また、由紀とともに活動する環菜の国選弁護士の迦葉と由紀の過去の関係が物語に厚みを増して描かれたりしていて、確かにドラマや映画にすると面白くなりそうなストーリーになっているとの印象もありましたニコニコ
ただ、扱う内容が重かったこともあり、最後は光がみえるようなエンディングになっているものの、僕としてはスカッとするとか感動で涙するようなものではなかったです。
出版元のサイトに、北方謙三さんのコメントとして「心の中の闇をかきわけ、はるか深いところに手が届く作品。そこには光がある。」と記載されていますが、「光があると言えば、まぁ、あるけどなぁ」というのが正直な感想です。
 

映画ではどのように描かれていて、観終えた時に、どんな気持ちになるのか、ちょっとわかりませんが、近いうちにPrimeビデオで観ようと思います。映画のポスター画像と予告編動画のリンクを貼っておきます。

 

*ポスターの画像はネットからお借りしました

 

 

さて、今夜はこちら。今シーズン最後の日本センチュリー響定演に行ってきます。

メインプロのサンサーンス3番は好きだけど、前プロが苦手のメシアンとメシアンの弟子の矢代さんと言う方の作品。

不安です…