今週の日曜日にロームシアター京都に観に行った、小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXXモーツァルト:歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」[全2幕]〈原語(イタリア語)上演/字幕付〉のことを書きます。

毎年、この時期恒例の小澤征爾音楽塾のオペラですが、今回は、音楽塾の皆さんが、先月亡くなられた小澤さんの精神を引き継いで上演される形となりました。公演は、3/15.17日が京都ロームシアター、今日3/20が神奈川県民ホール、そして3/23の東京文化会館が千穐楽となっています。

当初発表のキャストでフェランド役がルネ・バルベラからピエトロ・アダイーニに変更となったそうです。

演目のモーツァルトの「コジ・ファン・トゥッテ」は、僕は初めてでした。

 

  キャスト

フィオルディリージ:サマンサ・クラーク

ドラベッラ:リハブ・シャイエブ

フェランド:ピエトロ・アダイーニ

グリエルモ:アレッシオ・アルドゥイーニ

デスピーナ:バルバラ・フリットリ

ドン・アルフォンソ:ロッド・ギルフリー

 

  スタッフ

音楽監督:小澤 征爾

指揮:ディエゴ・マテウス(小澤征爾音楽塾首席指揮者)

演出:デイヴィッド・ニース

装置・衣裳:ロバート・パージオーラ

照明:高木正人

管弦楽:小澤征爾音楽塾オーケストラ

合唱:小澤征爾音楽塾合唱団

 

定刻の15時過ぎ、オケのチューニングが終わり、指揮のディエゴ・マテウスが登壇。
小澤マエストロに捧げるとして、モーツァルトのディヴィルティメント 第2楽章が演奏されました。
 
いつものように、ネットの「わかる!オペラ情報館 -3分で読めるオペラのあらすじ」から、コジ・ファン・トゥッテ(女はみんなこうしたもの)のあらすじを転載させて頂きます。

  あらすじ

【時と場所】 18世紀当時、ナポリ
【登場人物】
フィオルディリージ(S):ナポリの貴婦人
ドラベッラ(Ms):フィオルディリージの妹
デスピーナ(S):姉妹に仕える女中
フェルランド(T):士官、ドラベッラの恋人
グリエルモ(Br):士官、フィオルディリージの恋人
ドン・アルフォンソ(Bs):老哲学者

【第1幕】
時は18世紀、舞台は地中海に面したイタリアのナポリ。カフェの店先で、二人の士官フェルランドとグリエルモが、老哲学者ドン・アルフォンソと言い争いをしています。若い二人は、彼らの恋人が自分たちを裏切るようなことは決してないと信じていますが、アルフォンソは、そんなことはない、人間なら女性でもふとした出来心はあると、彼らの純真さを笑います。そこで、どちらの言い分が正しいか賭けをすることになりました。アルフォンソの策略が始まります。
まずアルフォンソは、海辺の庭園にいたフィオルディリージ(グリエルモの恋人)と、その妹ドラベッラ(フェルランドの恋人)に、彼女たちの恋人二人が急に戦争に行かなくてはならなくなったと伝え、士官二人には実際に船に乗って出発するふりをさせます。恋人がいなくなって悲しむ姉妹。その上でアルフォンソは、士官二人にひげを付けたり帽子をかぶせたりして変装させて、姉妹に別人として紹介し誘惑させようとします。
姉妹の家で変装した二人を紹介する際には、アルフォンソは女中のデスピーナにあらかじめ小遣いを与えておき、協力させました。変装した二人は姉妹に言い寄りますが、このときはまだ見向きもされません。
 
【第2幕】
しかし、しばらくして女中デスピーナが部屋で姉妹の世話をしながら、男遊びもいいものよと浮気を勧めると、姉妹は、もし選ぶならこっちの人かしら、と話し始めます。お互い元の恋人と違う相手を選んでいました。
そしてとうとう変装したグリエルモは、フェルランドの恋人ドラベッラを口説き落とします。逆にフェルランドも、グリエルモの恋人フィオルディリージを口説くことに成功します。フェルランドとグリエルモは、恋人の裏切りに激怒しますが、アルフォンソになだめられました。“女はみんなこうしたもの”だと。
さてその後は・・・。姉妹は変装した二人と結婚契約書を交わしますが、そこへ戦争に行ったはずの士官二人が帰ってきて、その契約書を見て怒ってみせます。そうしておいてから、慌てふためく姉妹にフェルランドとグリエルモは種明かしをしました。
姉妹は許しを請い、士官二人はもう恋人を試すようなことはせずに信じると誓います。老哲学者ドン・アルフォンソは、みんな笑い飛ばしてしまおうと恋人たちをねぎらうのでした。

 

初めて観る作品でしたが、主要な登場人物は6人と少ないし、ストーリーも分かりやすい喜劇なので、充分、楽しめました。

いつもの小澤オペラ同様、主要人物役のソリストはみんな上手い音譜
それぞれ、独唱の聴かせどころがあって、その都度、会場からは拍手拍手とブラボ―がタイミングよく送られていました。
僕が特にいいと思ったのは、士官フェランド役、ピエトロ・アダイーニの澄んだテノールグッ
また、女中デスピーナ役のバルバラ・フリットリは素晴らしい歌のみならず演技もコミカル。彼女の芝居は客席からも笑いを誘っていました爆  笑
オケの塾生はオーディションを勝ち抜いた俊英揃い。ちょっと荒さもあったけど若々しい勢いが感じらましたニコニコ
そしそ毎回いいと思うのは、奇をてらわないデイヴィッド・ニースの演出とロバート・パージオーラの華麗な装置・衣裳!!
 
塾長は亡くなられたけど、今年もその精神を引き継がれ素晴らしい公演になりました拍手
いつものように、公演を下手側ブロック中央通路後ろで豊嶋靖嗣さん等のコーチが見守っておられ、カーテンコールでは立ち上がって客席に会釈。また、カヴァーキャストの高野百合絵さん(彼女がカヴァーに廻るということでも贅沢なキャスティングの公演だと分かります)等も上手側ブロック後ろで観劇されていました。
 
開演15時、休憩25分を挟み、2幕で終演は18時45分。
客入りは少し悪く、サイドバルコニーなどに空席があり、70~80%程度でした。
来年の演目は「椿姫」とのこと。
 
音楽塾の公式Xの関連投稿のリンクを貼っておきます。
 

 

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