先週の土曜日に行った、京都市交響楽団 第682回 定期演奏会のことを書きます。

指揮は、本年度から常任指揮者に就任している沖澤のどかさん。

プログラムは、前プロがベートーヴェンの交響曲第4番、メインプロが日本初演となるコネソンという作曲者の、管弦楽のための「コスミック・トリロジー」という曲でした。
尚、このプログラムと同じ内容で翌日9/24にサントリーホールで東京での沖澤新常任指揮者のお披露目公演が開催されました。
 

 

  出演

指揮:沖澤 のどか(常任指揮者)

管弦楽:京都市交響楽団

 コンサートマスター:石田泰尚(特別客演コンサートマスター)

 

  プログラム

前半

ベートーヴェン:交響曲 第4番 変ロ長調 作品60

 第1楽章 アダージョ:アレグロ・ヴィヴァーチェ
 第2楽章 アダージョ
 第3楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ
 第4楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ

後半

コネソン:管弦楽のための「コスミック・トリロジー」(日本初演)

Ⅰ.スーパーノヴァ(超新星)

 1.いくつかの円 2.脈動星

Ⅱ.暗黒時代の一条の光

Ⅲ.アレフ

開演14時の30分前に、いつものように指揮者によるプレトークがありました。

今回の公演のメインプロ、コネソンの、管弦楽のための「コスミック・トリロジー」は2016年、当時は現代音楽があまり好きでなかったけど、教授に行ってこいといわれて、渋々行った現代音楽の大会みたいなもので初めて聴いたのだが、とてもいい曲で驚いたとのこと。で、いつかは自分も指揮をしてみたいと思ったけれど、個々の奏者も演奏が大変な曲であることもあって、客演で振るのではなく、自分がどこかの楽団の指揮者になった時にやろうと考えていたそうです。そして、それが今回、京響とやれることになってとても嬉しく思うというようなことを言われました。

で、先ず、メインプロに、管弦楽のための「コスミック・トリロジー」が決まって、前プロになにを組み合わせればいいかと考えていたところ、ベト4の第1楽章冒頭の静かに広がりを感じる長い序奏が宇宙を連想され共通点を感じるので選んだとのこと。

 

プレトークも終わり、14時30分すぎに開演。

オケが入場。コンマスは特別客演コンサートマスターの石田泰尚さん、トップサイドに楽団コンサートマスターの泉原隆志くん、2プルト表が特別客演コンサートマスターの会田莉凡さん、裏が楽団アシスタントコンサートマスターの尾崎平さんと並々ならぬ

意気込みを感じる布陣びっくり

前半のベト4は、12-10-8-6-4の編成。

僕がこの曲を聴くのは、21/10の佐渡裕さん指揮・音楽の贈りものPAC(兵庫芸術文化センター管弦楽団) with ベートーヴェン!第3回()以来で、演奏機会があまり多くはないのか今回で2度目。

沖澤さんが宇宙のような広がりを感じると言っている38小節に及び長い序奏(プレトークでも説明していたし、下方に添付した楽団公式Xのリハのtweetにも記載されています)は、ゆったりしていて正におっしゃる通りの響きキラキラ

その後、弾けるように主題に移ってからは疾走感・躍動感がある爽快な演奏になりましたグッ

演奏後、沖澤さんが立たせたのは、木管首席の4名。クラリネットの小谷口直子さん、ファゴットの中野陽一朗さん、フルートの上野博昭さん、オーボエの高山郁子さん。そして、最後に打楽器首席でティンパニの中山航介さんでした拍手
 

後半のコネソンの、管弦楽のための「コスミック・トリロジー」でオケは16-14-12-108に拡大し、様々な打楽器群にハープ、ピアノ、チェレスタも加わる大編成!!

ギヨーム・コネソンは1990年代半ばから台頭してきたフランスの作曲家の一人。クラシック音楽の作曲法を学ぶ傍ら、ジョン・ウイリアムズの映画音楽やスティーブ・ライヒらのミニマム・ミュージック、あるいはジェームズ・ブラウンのファンクなどからも影響を受けたとのこと。「コスミック・トリロジー」は1997年に描かれた「スーパーノヴァ」、2005年の「暗黒時代の一条の光」、20007年の「アレフ」という三つの交響詩から成る。コネソンは無限の広大さを持つ宇宙に心を惹かれ続け、更に、スティーヴン・ホーキングの小説、ワシリー・カンディンスキーの絵画に接したことが契機になって「スーパーノヴァ」を作曲したとのこと。それに続く連作として、他2作が書かれ初演。この3部作は通常「アレフ」を第1部とし、「暗黒時代の一条の光」「スーパーノヴァ」の順に配列されるところ、今回の公演では作曲順に演奏される、とプログラムノートに記載されています。

 
少しメロディが掴みにくいと思うところもあったけど、気持ちの悪い不協和音などは殆どなく綺麗なフレーズもあって、作曲者が心惹かれた無限の広大さを持つ宇宙を連想させる曲でした音譜
ただ、2曲目の「暗黒時代の一条の光」でプログラムノートに「金管楽器が最弱奏によるゆったりとしたコラールで提示される第1主題と、インド音楽のラーガに想を得た、ヴィオラが提示する長大な第2主題が全曲の中核となる」という部分は正直、僕を含め、廻りの方も相当数、眠りに誘われていたように思いますzzz
でも、3曲目「アレフ」では、多くの打楽器が迫力のある演奏をされ、楽しく聴くことが出来ましたルンルン
会場からはブラボーが乱れ飛び拍手喝采拍手
打楽器が大活躍する曲だったので、沖澤さんが真っ先に立たせたのが、中山航介さん率いる打楽器軍団のメンバー!
その後、各パートが順に立ったのですが、やっぱり奏者としては難曲だったようで、トランペット首席のハロルド・ナエスが額の汗を拭うようなポーズで笑顔で立ち上がり、笑いをとっていました爆  笑
総じて、沖澤さんと京響メンバーの信頼関係が感じられたし、沖澤さんを京響ファンのお客様が大歓迎しているのも肌で感じることが出来る素晴らしい演奏会になりましたウインク
 
開演14時30分、休憩20分を挟み、終演16時25分。完売で当日券なしの満席でしたチョキ
 
以下、関連するtweetのリンクを貼っておきます。
 
京響のリハ後のtweet

 

京響の終演後のtweet

https://twitter.com/kyotosymphony/status/1705523641080041707?t=Ubo5JGUqIJLUWyxZ3hFXrQ&s=19 

 

コントラバス奏者、Juvichanの演奏後のtweet