昨日は、びわ湖ホール オペラへの招待 林 光作曲 オペラ『森は生きている』(日本語上演・日本語字幕付)を観てきました。Wキャスト各2日の全4日公演の2日目です。

毎回書いていることですが、年2回開催される〈びわ湖ホール オペラへの招待〉は、“初めてのオペラ”を体験するのにうってつけのシリーズ。びわ湖ホール声楽アンサンブルのメンバーを主体にした公演で、オペラにしては低価格でわかりやすく楽しめることが売りです。今回の演目は、過去何度も上演された『森は生きている』。僕も以前、1度観たことがありますが、声楽アンサンブルのメンバーも代わっているし、演出も違うと思うので、観ることにしました。

 

  スタッフ

指揮:沼尻竜典
演出:中村敬一
ピアノ:渡辺治子
管弦楽:日本センチュリー交響楽団

  キャスト

1月・総理大臣:平欣史
2月・延臣:奥本凱哉
3月・リス・オオカミ・延臣:船越亜弥*
4月・カラス・警護隊長:清水徹太郎*
5月・ウサギ・もう一人の兵士・大使夫人・延臣:大川繭*
6月・もう一人の娘・リス・延臣:森季子*
7月・むすめ・延臣:熊谷綾乃
8月・女官長・オオカミ:中嶋康子*

9月・おっ母さん・延臣:益田早織*
10月・女王:佐藤路子*
11月・兵士:宮城朝陽
12月・博士・古老:松森治*
 

*:びわ湖ホール声楽アンサンブルソロ登録メンバー

 

『森は生きている』は、ロシアの児童文学作家マルシャークの名作が原作。この原作は1943年に書かれ、日本では、1953年、湯浅芳子さんが翻訳し岩波書店から出版。そして、この翻訳版に林光さんが音楽をつけて俳優座が1954年に初演。1959年からは劇団仲間が引き継いで同劇団の代表的な作品として上演を重ね、その上演回数は現在2100回を超えるとのこと。その後、さまざまな団体で上演する度に新曲が追加され、1992年には林光さん自身の台本により、集大成となるオペラ版が作曲されたそう。このオペラ版が、びわ湖ホールでも過去、度々上演されているのです。

 

かなりバックリしたあらすじですが、フライヤーの裏面には、以下のようなあらすじが記載されています。

  あらすじ

ある大きな国のおおみそか。むすめは、わがままな女王が気まぐれにだした”おふれ”のために、冬に咲くはずのないマツユキ草を探しに雪深い森へ出かけます。そこで出会ったのは12の月の精たち。心優しいそのむすめのために4月の精は、ほかの月の精たちに頼んで1時間だけ「時」をゆずってもらいます。すると雪は消え、目の前にはたくさんのマツユキ草が…!マツユキ草を手に入れたむすめは、12の月の精の秘密を誰にも話さないと約束し、4月の精に指輪をもらい帰ります。そしてマツユキ草を渡された女王は、廷臣たちが引きとめるのにもかかわらず、自らもマツユキ草を摘むために、むすめの指輪を持って吹雪の森へと出かけていきます。そこで冬の森の厳しい寒さや大変な経験を経て、女王は大切なことを学ぶのでした。

 

上演開始14時の30分前の13時30分開場から15分間、ステージに上がることが出来てセットを間近に見せてくれましたチョキ

今回のセットは予算がいつもない割には、森や木々、雪なんかが結構しっかり作られていたし、なかなか、こういう機会はないので、面白かったです。

本編は、分かりやすいファンタジー的なストーリーが日本語で上演されたこともあって、充分楽しめましたチョキニコニコ

そして、キャストの皆さんの多くは12の月の精と、他の役を掛け持ちにも拘らず、歌唱だけでなく演技も頑張っていて好感が持てました。
男性では、声楽アンサンブルOBの4月の精を演じた清水さん、博士・古老の松森さんの歌は流石に良かったし、総理大臣を演じた平さんは現役メンバーながら存在感がありましたグッ
女性では、コンクールに入賞している船越さん・益田さん、びわ湖の声の中心メンバー森さんのOG陣、現役の熊谷さんが光っていましたキラキラ
 

指揮は退任を間近に控えた沼尻芸術監督が務め、オケは日本センチュリー響。

大編成ではない弦5部・フルート・オーボエ・クラリネット・ファゴット・打楽器各1の構成でピアノの渡辺治子さんと共に、優しい音色の伴奏が良かったです。

 
感動するような舞台ではないけど、ほっこりするストーリーを中村敬一さんの演出で優しく魅せるオペラという感じでした音譜
 
開演14時、休憩20分を挟む全2幕、終演16時45分。
4日公演で足元も悪いという条件にも拘らず、客入りは70%弱。大健闘だと思います。
 
びわ湖ホールのtweetのリンクを貼っておきます。