この記事の投稿がブログを始めてから、1400回目の節目になります。

先週の土曜日、隣にある植物園に立ち寄った後、ゲルハルト・オピッツさんの「オピッツ・プレイズ・ブラームス」というコンサートを京都コンサートホールで聴いてきました。

出演

[ピアノ] ゲルハルト・オピッツ

[弦楽四重奏]クァルテット澪標(みおつくし)

大岡仁・東珠子(ヴァイオリン)牧野葵美(ヴィオラ)佐藤響(チェロ)

 

[プログラム]~オール・ブラームス・プログラム~

前半

2つのラプソディー 作品79

 第1番 ロ短調/第2番 ト短調

7つの幻想曲 作品116

 第1番 奇想曲 ニ短調/第2番 間奏曲 イ短調/第3番 奇想曲 ト短調

 第4番 間奏曲 ホ長調/第5番 間奏曲 ホ短調/第6番 間奏曲 ホ長調/第7番 奇想曲 ニ短調

4つの小品 作品119

 第1番 間奏曲 ロ短調/第2番 間奏曲 ホ短調/第5番 間奏曲 ハ長調/第4番 狂詩曲 変ホ長調

後半

ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34

 第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ

 第2楽章 アンダンテ・ウン・ポーコ・アダージョ

 第3楽章 スケルツォ・アレグロ

 第4楽章 ポーコ・ソステヌート - アレグロ・ノン・トロッポ

 

 
 

オピッツさんは、今迄、一度も生で演奏を聴いたことがなかったのですが、ドイツ正統派ピアニストの代表的なお一人とのこと。そして、プログラムが、そのドイツの作曲家、ブラームスの作品ということで楽しみにしていました。

今回は、前半がオピッツさんのソロ、後半が弦楽四重奏との演奏ということで、小さな空間で音楽を共有できる500人が定員の小ホール・アンサンブルホール・ムラタでの開催となりました。

自席は中央ブロック下手側通路横の最前列。オピッツさんの右後方から、横顔の一部と手足の動きが見える位置でした。

 
15時過ぎに、オピッツさんが登場。ブロ友さんにお聞きしていた通りのサンタクロースを連想させるようなにこやかな笑顔は優しそうで、演奏を聴く前から会場が和みます。
演奏はとても、音が綺麗。軽いタッチで力んでないのに、力強い。
そして、ピリっとした雰囲気ではない温かい音。思い込みかも知れないけど、お人柄が音に出ていると感じる演奏!
横顔しか見えないので、表情は充分には見えませんでしたが、顔芸はされていないように見え、その点も好感が持てました。
僕はブラームスはオケの演奏曲とヴァイオリンソナタしか聴いたことがないので、どの曲も初めてでしたが、なんとなくいかにもブラームスと思える曲のように感じました。特に良かったのは、最後の4つの小品。
 
後半はクァルテット澪標(みおつくし)というユニットとのピアノ五重奏曲。
お名前も存じ上げないクァルテットとの共演でしたが、みなさん、とてもいい演奏を聴かせてくださいました。
特にヴィオラの牧野さんと言う方の音が僕の好みでした。
オピッツさんは前半は、全部、暗譜で弾かれていましたが、後半はクァルテットと合わせるため譜面を置き、黒縁メガネをかけての演奏になりました。譜めくりの方もおられましたが、ピアノの演奏が休止のときは、譜面を追いながら、ご自身で譜面をめくっておられました。
僕の受けた印象では、後半はクァルテット澪標の演奏を引き立てることに徹しておられたように思います。
この曲も初めて聴きましたが、特に第3、第4楽章がドラマチックでカッコよかったです。
 
演奏が終わり舞台袖に退場された時に、扉から中の様子が僕の位置からはよく見えたのですが、オピッツさんがクァルテット澪標の皆さんを笑顔で称え、拍手のあと握手やハグをされている姿がとても微笑ましく思えました。
 
カーテンコールは2度、開演15時、休憩20分を挟み、終演17時15分。
チケットはおそらく完売、当日、都合が悪くなって来られなくなったお客様等の空席のみで95%は入っておられたように思います。
温かい気持ちになれるコンサートでした。