昨日は、京都市京都市交響楽団のスプリングコンサートを聴きに京都コンサートホールに行ってきました。
指揮は、今シーズン限りで退任される常任指揮者兼芸術顧問の広上淳一さん、ソリストはジャズピアニストの小曽根真さんです。
ジャズとクラシックの双方を演奏をされる小曽根さんですが、下のフライヤーに、ジャズピアニストの小曽根真がラフマニノフを初披露と記載されているように、ジャズが基軸でクラシックにチャレンジというスタンスは一貫しています。
今回、人気の小曽根さんがソリストであること、広上さんが今期限りで京響を去られること、プログラムが有名曲であること、そして、価格がA席でも2500円と何故か格安であることから、完売となり、4月から通常配席に戻った京都コンサートホール大ホールが最近全く見かけなかった満席になっていました。
【出演】
指揮:広上 淳一(常任指揮者兼芸術顧問)
ピアノ:小曽根 真(ピアノ)
管弦楽:京都市交響楽団
コンサートマスター:会田莉凡
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【プログラム】 ラフマニノフ:ヴォカリーズ |
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続いて、舞台転換で弦5部は12-10-8-6-5となり、スタインウェイのピアノが中央に配置されて、小曽根さんがいつものモーニング風の赤いシャツで登場。
2019年には5回も聴けたラフコン2ですが、昨年は0で19/11のヤニック・ネゼ=セガン指揮フィラデルフィア管弦楽団とハオチェン・チャンが演奏したのを聴いて以来でした。
「指揮者の広上淳一さん、そしてコンマスの会田莉凡さんと京都市交響楽団の皆さんに心からの感謝の思いを伝えたい。マエストロとオーケストラの皆さんから音楽を通していっぱい送られてくる愛情とサポートに支えられてこの難曲をなんとか弾ききる事ができました。ピアニストとしての課題は本当にクリアに見えました。 そして会場お越しくださった皆さん、今までに未経験に近いこの緊張を感じながらもずっとステージにパワーを送り続けてくださり、本当にありがとうございました。あのカーテンコールの拍手は今も自分の中に鳴り響いています。その皆さんの思いを裏切らないように、次のステージに向けてしっかりと磨いて行きたいと思います。 」
ゲネプロで弾きすぎて、本番でばギリギリだったとの表現もあったし、ピアニストとしての課題に対し更に磨きをかけたいとも記載されているように、ジャズ・クラシックのジャンルを超えたボーダーレスにチャレンジされる姿勢が僕は好きなので、これからも応援しようと思います。
後半はチャイコ6番「悲愴」。弦5部の編成は14型。
ゆったりとしたスピードの演奏で、弦の響きが特に美しかったです。
第2楽章のワルツのようなメロディでは踊るように、行進曲のような第3楽章で活躍する打楽器には、シンバル、大太鼓、ティンパニとそれぞれ、大きなアクションで指示をされたり、広上さんは全身を使った渾身の指揮と言った感じでした。
第4楽章、最後、弦が徐々に演奏を終了し、チェロ、コントラバスと止まっていく物悲しさの余韻に浸り、広上さんが手を降ろすまで、会場からのフライング拍手もなくていい演奏会になりました。
演奏後、広上さんが各自、各パート毎にオケのメンバーを順番に称えて立たせる際、打楽器が順に指名され、ティンパニの中山さんが次は自分かと待ち構えているところをわざと飛ばし、中山さんが「俺は?俺は?」みたいな仕草でアピールしても、すっ飛ばして、ヴィオラ、2ndヴァイオリン、1stバイオリンまで終わった後、最後に中山さんを立たせたりする演出は、長く京響の芸術顧問をされた広上さんとオケのメンバーの良好な関係ゆえと思われ、微笑ましかったです。
数度のカーテンコール後、広上さんから一言。来場の御礼と、「コロナがなかなか収まらないし、まだまだ注意は必要だけど、注意しながら演奏会にはお越し頂きたいです。では最後に、悲愴はもの悲しくおわったので、アンコールはuあ明るい曲で締めくくりましょう。」と言われ、ビゼーの小組曲「こどもの遊び」から第5曲「ギャロップ」を演奏されお開きとなりました。
開演14時過ぎ、休憩20分挟み、終演16時30分。たっぷり聴けました。
帰りに出口でアンコール曲を印刷された紙面の配布がありました。
ボードに書き出されなくなって、HPやSNSで追って、アンコールの曲名が投稿されるのが、最近のスタンダードですが、こうやって紙面でもらえるとありがたいです。
*配布された紙面をスキャンさせて頂きました。