昨日は、兵庫芸文センターでカーチュン・ウォンくん指揮、ソリスト神尾真由子さんのPAC特別演奏会”ザ・ブラームス”を聴く予定でした。コロナの感染拡大も収まってきているので、直近で判断できれば多分行っていたと思いますが、この公演については感染予防のために来場を見合わせるのなら連絡すれば払い戻し対応するとアナウンスされていたので、2/8からの緊急事態宣言延長が決定した際にキャンセルをしました。公演終了後にチケットを返送すれば払い戻し頂けるそうで、ありがたいです。

 

で、代わりということで、こちらのほうに行ってきました。

びわ湖ホールのHPには以下のように紹介されています。

「気軽にクラシックシリーズは、実力派アーティストの演奏による1時間のコンサートです。クラシック音楽の楽しさを満喫できる、文字通り気軽に楽しめる公演をお贈りします。
今回は、京都市交響楽団首席クラリネット奏者 小谷口直子が、「歌」にまつわるプログラムをお届けします。
クラリネットの多彩な魅力を再発見できるコンサートです。」

 

[出演]
小谷口直子(クラリネット)、西脇小百合(ピアノ)


[プログラム]
◆ハイマン:クラリナータ
◆磯部 俶:遥かな友に
◆ヴァヴィロフ:カッチーニのアヴェ・マリア
◆中田章:早春賦
◆ベリオ:リート
◆ウェーバー:歌劇『魔弾の射手』より「静かに、静かに、敬虔な調べよ」
◆ロッシーニ:歌劇『セヴィリアの理髪師』より「今の歌声は」
◆ロッシーニ:歌劇『湖上の美人』の主題による 序奏、主題と変奏

 

僕は、「この気軽にクラシックシリーズ」には、現在、読響の首席ヴァイオリニスト瀧村依里さんの演奏を聴きに一度だけ来たことがありますが、小ホールで開催される文字通り気軽な公演です。

 

先ず、演奏前にご挨拶にと、小谷口さんがマイクを持って登場。

話が上手くて驚きました。

お客様に来場の御礼を言われるだけでなく、「大坂なおみさんの全豪オープン決勝戦と被らなくて良かったです。コンサートが終わったら帰宅して応援しましょう!」とか「公演の副題が”うたうクラリネット”になっていますが、このシリーズで演奏することが決まったのが1年ほど前でどんな演奏をするかイメージも出来なかったでの、”うたう”とかにしておけば何を吹いても大丈夫かと思ってつけました。」とか笑いもとれるトークで和やかな雰囲気になりました。

 

一度、舞台袖に入り、ピアノの西脇さんと再登場。紹介後、演奏開始。

具体的なプログラムを決めたのは、一度目の緊急事態宣言中で京響の公演も次々に中止となっている最中。来年の2月に本当に公演出来るのかなと思いながら、出来るのならと練り上げられたものです。

1曲目の明るいクラリナータから小ホールということもあり、とても響きがいい。

でも、1曲終わったところでハプニング発生。

曲間でトークする内容を記載したメモを楽屋に忘れてきたとのこと。演奏中に気づき、どうしようってそればかり気になっていたとのトーク。

そんなことを感じさせない演奏でしたが「取りに行くわけにもいかないので、行き当たりばったりで続けます。」と気を取り直すのも面白かったです。結局、メモは次の曲の演奏が終わったくらいでホールの方が持ってきてあげられたので事なきを得ました。

 
3曲目のカッチーニのアヴェ・マリアを演奏する前には、僕のブログでも何度か触れている、びわ湖ホール四大テノールで活躍されていた二塚直紀さんが昨年4月に急逝されたことにも触れられました。二塚さんは友人であり、友人の旦那様でもあり、とても懇意にしていたし、プロデュースオペラで共演する時には緊張をほぐしてくれたり、本当に頼りにしていたとのこと。彼を偲ぶ気持ちを込めて演奏された、このアヴェ・マリアはとても美しく物悲しく心を打たれました。
 
続く、早春賦は正に春の到来を思わせる曲で心地よかったです。
そして、、リートのべリオと言う曲は現代音楽で、ピアノの西脇さんはお休みされ、小谷口さんも一旦、舞台袖に退場してから、静かに再登場。静寂の中でのやや幻想的な音楽でした。
 
残り2曲は、ロッシーニのオペラから。まさにクラリネットでうたう!が実践されました。
3月に開催される、恒例のびわ湖ホールプロデュースオペラのオケはいつも京響。
クラリネットはオペラの美しいアリアに寄り添うように奏でる頻度がとても高くていつも緊張するそうですが、今度の「ローエングリン」でもあるそうなので、注目しようと思います。
 

アンコール:琵琶湖周航の歌

 

アンコールはご当地ソング。とても美しい音色でした。

今回の公演で、小谷口さんのファンになりました。また、機会があれば聴きに行こうと思います。