昨日は、生で聴く のだめカンタービレの音楽会で兵庫芸文センターに行ってきました。

この公演は毎年8月に開催されていましたが、今年は、新型コロナウイルスの影響で一旦中止となって、この10/31と11/1で代替開催となりました。そして、8月に予定されていた公演から出演者、プログラム、開演時間、料金等も変更され、一日目はピアニスト高橋多佳子さんによるピアノ版となっています。

僕が行った2日目の公演は、当初計画と同じくオーケストラ版(当初のプログラムはこちらの記事の写真参照)でしたが、プログラムは一新され、オケも兵庫芸術センター管弦楽団PACから日本センチュリー交響楽団に変更されました。

このコンサートはタイトルの通り、漫画・ドラマ・アニメでヒットした「のだめカンタービレ」で取り上げられた曲を中心に、ドラマ・アニメのクラシック監修をされた元N響の首席オーボエ奏者で現在、指揮者の茂木大輔(もぎぎ)さんが企画、スクリーンにイラストや解説を映しながら、演奏を聴く人気の催し。

僕は、今年で3年連続4度目ですが、2年前の公演()の時には、それまで、「のだめ」のドラマもアニメも見ていませんでしたが、コンサートに行ったことによって興味をもち、その後、ドラマのDVDと漫画を全部見るとともに、ブロ友さんに教えて頂いた、もぎぎの著書も読んだりして、昨年のコンサート()に行ったところ、楽しさが増したので、今年も代替公演が開催されて嬉しく思っていました。

 
 

 
上の写真はプログラムに記載されている、もぎぎの挨拶ですが、代替公演の実現を本当に喜ばれていることがわかります。
 

そして、2日目の内容は、「ベートーヴェン生誕250年記念 オール・ベートーヴェン・プログラム」
ドラマ「のだめ」の主題曲「ベト7」をメインに、高橋さんの「エリーゼのために」と、特別企画として、ベートーヴェンの生涯をピアノ、弦楽四重奏、オーケストラによる演奏とスライドで示すプログラム。

休憩なしでの公演です。

 

出演
企画・指揮・おはなし::茂木大輔
ピアノ:高橋多佳子
管弦楽:日本センチュリー交響楽団

 

プログラム
1.<ベートーヴェン生誕250年特別企画「ベートーヴェンの生涯 」>

 ・ドレスラーの行進曲による9つの変奏曲 WoO.63より第9変奏
 ・ハイドン:交響曲第101番 ニ長調 Hob.Ⅰ:101「時計」より第2楽章
 ・「3つのピアノ・ソナタ」第1番 op.2-1 へ短調より第2楽章
 ・ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 op.15より第3楽章
 ・弦楽四重奏曲第1番 ヘ長調 op.18-1より第1楽章
 ・交響曲第1番 ハ長調 op.21より第1楽章
 ・交響曲第3番 変ホ長調「英雄」 op.55 より第1楽章
 ・ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調「クロイツェル」op.47より第1楽章
 ・ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61より第3楽章
 ・交響曲第5番 ハ短調 op.67「運命」より第1楽章

 ・ピアノ協奏曲第4番 ト長調 op.58より第2楽章

 ・交響曲第6番 ヘ長調「田園」 op.68より第1楽章

 ・ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 op.73「皇帝」より第1楽章

 ・ピアノ・ソナタ 第26番 変ホ長調 op.81a「告別」より第1楽章

 ・交響曲第7番 イ長調 op.92より第1楽章

 ・ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 op.106「ハンマークラヴィーア」より第1楽章

 ・交響曲第9番 ニ短調 op.125より第4楽章

 ・弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 op.130 より第5楽章

 ・ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 op.13 「悲愴」より第2楽章 

2.エリーゼのために(バガテル イ短調 WoO59) ピアノ:高橋多佳子
3.交響曲 第7番 イ長調 作品92

 

まず、開演前に、もぎぎが下手から、いつものように早歩きで登場。

代替公演はが実現できたことを喜ばれ、関係各位の努力と、お客様への感謝の言葉がありました。

 

そして、続いてプログラムの説明。前半のベートーヴェンの生涯は、20に近い曲を年代順に各1分演奏するとのこと。「多分、もっと聴きたいと思われるでしょうが、全部やってると朝までかかるし、もっと聴きたいと思ってもらうようになるのが狙いとです」と、おっしゃってました。

 

このベートーヴェンの生涯、作曲されたところや状況もスライドで解説され、とても楽しかったです。

確かに1曲の時間が短くて、いいところで終わるんですが、ベートーヴェンの偉大さを短時間で聴覚と視覚で感じ取れる企画だったと思います。毎回思うのですが、もぎぎの企画っていいですね。

尚、ヴァイオリン・ソナタのソリストはコンマスの松浦奈々さんが担当。

弦楽四重奏は、松浦さんと第2ヴァイオリン首席奏者の池原衣美さん、ヴィオラ副主席奏者の増永雄記さん、チェロ首席奏者の北口大輔さんでの演奏で、とても美しかったです。

 

ベートーヴェンの生涯が終わったところで、もぎぎと高橋さんのトークタイム。

高橋さんは連日の出演で、しかも、昨日はソナタとコンチェルトを多数演奏されたので、もぎぎから「大変だったのでは?」との労いと問いかけがありました。「やっぱり、曲毎に気持ちを切り替える必要があって大変でした。」との高橋さんの回答。

でも、「これからの勉強して、益々いい演奏が出来るようになりたいです。」とおっしゃり、それを受けて「ショパンを得意にされていたけど、ベートーヴェンにも幅を広げられたし、共に勉強して益々頑張りましょう。」と、もぎぎがコメントし、「でjは、もう1曲。プロの演奏を聴く機会が意外と少ない、エリーゼのために、をお願いします。」と続きました。

 

高橋さんは、僕は初見でしたが、ショパコン入賞者だけあって、とても美しいピアノで「エリーゼのために」は沁みました。

 
3曲目の、ベト7。
久しぶりに生で聴きましたが、躍動感があって、やっぱりいいです。
今回、オケは、弦10-8-6-6-4に2管編成。小ぶりな編成なのに、音が大きくて、とても良く響いていました。
もぎぎの指揮も、派手さはないけど、メリハリもあり、熱量を感じました。
ベト7でのスライドは、「今、第1主題」とかの表示が、曲に合わせて示されあり、オケのメンバーの氏名が楽器ごとに全員示されたりとか、ここでも視覚からも情報が得られて楽しかったです。


アンコール曲

・モーツァルト:「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」K.525第2楽章より “ロマンス”

 

アンコールは、弦だけで、アイネ・クライネ・ナハトモジーク。最後まで楽しいコンサートでした。

会場は、SD仕様の左右が空いている列と、隣にも人がいる列が混在していて、どういうことなのかよくわかりませんでしたが、最後列には補助椅子も出ていたし、もぎぎも、「完売ありがとうございます。」みたいなことをおっしゃっていたので、多分、販売分はほぼ満員になっていたものと思います。

フライヤーには、休憩なし約90分の公演と記載されていましたが、このプログラムでは90分に収まらないのでは、と思っていた通り、開演15時で終演16時50分。2時間弱たっぷりの公演。最後は、来年は8月に開催する旨、日にちが記載されたスライドも映し出されてお開きとなりました。来年も出来れば参加したいと思います。