三浦しをんさんの小説『風が強く吹いている』()を読み終えて、直ぐに実写版の映画を観ました。

小説は2006年に刊行されていて、この映画は2009年に公開されています。

プライムビデオで、もうすぐ見放題が終了する作品に入っているのは知っていましたが、終了までに原作を読み切れず、間に合いませんでした。2000円もする購入しか選択肢がなくなったので、レンタルDVDくらいかなと思いつつ、ググってみたら、YouTubeムービーに300円でのレンタル視聴があったので、そちらを選びました。

*写真はネットからお借りしました

 

監督:大森寿美男

出演:小出恵介, 林遣都, 中村優一, 川村陽介, 橋本淳, 森康, 内野謙太, ダンテ・カーヴァー, 斉藤慶太, 斉藤祥太

ストーリーは、昨日の小説の記事に記載したので割愛しますが、文庫本で600頁の小説を2時間12分の映画にしているわけですから、当然、端折っているところも多くありました。
大筋は原作に則していたので、感動もあり小説を読んだとき同様、泣ける部分もありました。
小出恵介のハイジも、大津出身の林遣都のカケルも良かったです。
特に林遣都のランニングフォームはとても美しく、本物のマラソンランナーのように見えました。
 
一方、端折るだけでなく、原作からストーリーを変えている部分も散見され、ちょっと、腑に落ちない部分も数点ありました。
アオタケが実は、寛政大学の陸上競技部錬成所であったことをハイジに言われるまで住人は全く知らなかった点は同じですが、原作では、そこから走る訓練を始めることになったのに対し、映画では理由がわからないけど日常的に毎朝5キロ走る習慣があったとされていたこと、何を意図して変更したのか分かりません。
また、カケルの高校時代のチームメイトで高3の時にカケルの暴力事件で最後の大会に出場できず、以来、恨みを持っている東体大の榊が事ある毎に、寛政大にちょっかいを出し続け、箱根の本番でも8区で同じ区間を走るキングに言いがかりをつけて惑わすことでペースを乱させた原作に対し、映画では何故か10区アンカーで主将のハイジと同じ区を走るように変更されていて、わだかまりを払拭するようにカケルが健闘を期待するように声をかけるようになっていたこと。その割には、その場面で榊の出番は終わり、故障が再発してハイジが立ち止まったりしながら足を引きずりゴールして、そんな走りになっているのに、タイムで榊を逆転できて次年度のシード権を獲得できたことなど矛盾も感じられ、ちょっと残念でした。
 
いい原作は心に残るし、そのつもりで映画を観てしまうので、あれ?っということがあるとちょっと残念に思います。
恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」の映画化は正にそうでした。
この作品は「蜜蜂と遠雷」ほどではなく、感動もあったので良かったですが、原作のストーリーを端折るのは致し方ないにしても、なるべく変更しないでもらえたらと思います。
 

予告編の夢動画貼っておきます。