昨日の昼間は、京都市交響楽団・第638回定期演奏会で京都コンサートホールに行っていました。

知人の京響友の会・土曜日会員の方が行けなくなったというのでチケットをディスカウントして譲ってくださったからです。

 

 

出演
常任首席客演指揮者:下野 竜也
ピアノ:ヤン・リシエツキ

管弦楽:京都市交響楽団

 

プログラム

前半
ブルックナー(スクロヴァチェフスキ編曲):弦楽五重奏曲ヘ長調WAB112から「アダージョ」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491

後半
ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調「田園」op.68

 

アンコール

前半 シューマン:子供の情景より トロイメライ

後半 プーランク:平和のためにお祈りください

 

定演では開演30分前に指揮者によるプレトークがあります。

 

京響は常任指揮者兼ミュージックアドヴァイザーに広上淳一さん、常任首席客演指揮者に昨日今日指揮をされる下野さんと高関健さん、桂冠指揮者に大友直人さん、コンマスに泉原隆志さんの布陣ですが、プレトークで下野さんより、来場の御礼と共に、今回の定演で6年間務められた京響の常任首席指揮者を降りると挨拶されました。

 

友の会の会員の方はご存知だったのかもですが、僕は知らなかったので、好きな指揮者が京響を離れられることにさみしさを感じました。

でも、ご挨拶は「皆さんは僕のことを変な曲ばかり選んで演奏する指揮者と思われておられたと自分は思っているのですが、これからはいなくなるのでもう安心ですよ。」とかユーモアを交え、湿っぽくならないようにされていました。

 

そして、演奏曲の紹介では、ベートーヴェンの運命と田園は交響曲の番号と作曲順がテレコになっていることや、モチーフの繰り返しを使う特徴が共にあり(運命のバ・バ・バ・バーンは400回以上、田園のパ・パ・パ・パァパラパパも数えきれない!)、その手法は後の作曲家に多大な影響を与えたこと、田園はドラマチックな曲ではないけど日常のありがたさを表している曲だと解釈していることなどを解説。

また、前プロでモーツァルトを演奏されるヤン・リシエツキさんは何回か共演したが素晴らしいピアニストであり今日の演奏曲は自分がリクエストしたと、そして最初に演奏するブルックナーの弦楽五重奏曲オケ版はとても美しい曲なんでゆったりと楽しんでほしいと言われました。

 

まず、前プロのブルックナーの弦楽五重奏曲ですが、コンパクトな弦楽器のみのオケから奏でられるこの曲は初めて聴くでしたが、とても美しかったです。弦が綺麗な京響にはピッタリの印象。ただ、昼下がりということもあり、睡魔に襲われてしまいました。

 

続いて、ソリストのヤン・リシエツキさんが登場。お名前もしらないまだ今年で24歳の若手ピアニストでした。AMATI(Artist and Project Management)というサイトにプロフィールは以下のように書かれており、昨日のプログラム冊子も全く同じ文章が記載されています。

 

プロフィール

1995年生まれの驚異的な才能。

カナダのカルガリーでポーランド人の両親の元で生まれ、わずか9歳でオーケストラと協奏曲デビューを飾る。2008年、2009年と(13歳と、14歳の時)ワルシャワの「ショパンとそのヨーロッパ国際音楽祭」に招かれ、ショパンの協奏曲第1番と第2番を演奏。ライブ録音されたCDが、ポーランド国立ショパン協会のカタログ番号1番として2010年初頭に発売。ディアパゾン・ドール賞を受賞。2011年、15歳という若さでクラシックの名門レーベルであるドイツ・グラモフォン(DG)との専属契約を締結し世界を驚かせる。同レーベル4作目のショパン:ピアノと管弦楽のための作品集はエコー賞 協奏曲部門賞、並びにカナダで最も権威あるジュノー賞を受賞。最新盤は9月発売のアカデミー室内管弦楽団とのライブ録音によるベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集。

2010年の元旦、ショパン生誕200年の記念すべき幕開けを作曲家生誕の地で行ったほか、7月のカナダ建国記念日には、イギリス女王に捧げる演奏を10万人の聴衆を前にオタワの国会議事堂前広場で披露。2011年(16歳)はパリ管弦楽団のシーズンオープニング公演でパーヴォ・ヤルヴィと共演。2013年、最晩年のクラウディオ・アバドに招かれ、オーケストラ・モーツァルトと共演。9月、クラシック音楽界のオスカーとも呼ばれるグラモフォン・アワードで、最年少で「ヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を獲得。その後の活躍は枚挙にいとまなく、現在24歳にしてすでに世界のトップ奏者の一人として出演依頼が引きも切らない。

リシエツキは、デイヴィット・フォスター財団、ポーランド人道組織、星に願いを財団など、様々なチャリティ組織のために演奏をしている。2008年にユニセフのカナダ国内大使(青年代表)に、2012年には、カナダ国内大使に任命されている。

 

プログラムがモーツァルトだったためとも思いますが、男性的というよりも軽やかで綺麗なタッチと音色でした。

美少年から青年に成長したところと言った感じで、これから人気も上がってくるかもしれません。

アンコールのトロイメライもすごく美しかったです!

 

そして、後半の田園。

田園を生で聴くのは、昨年末のパリ管()以来。パリ管もすごくよかったけど、昨日の京響も良かったです。

田園の長閑な情景が目を瞑れば浮かぶような演奏、特に弦、木管が綺麗でした。第1楽章から第3楽章までの温かい調べから第4楽章の嵐の描写に移り、そして第5楽章の嵐が去ったあとの喜びの表現まで、下野さんはとても躍動的で全身を使った指揮をされてました。

 

カーテンコールは、ブラボーが多数。オケの皆さんも下野さんに惜しみない拍手を贈っていました。

そして、花束を持って広上さんが登場され感謝の言葉を述べると共に、下野さんは次世代を担う指揮者であり、今後の活躍を益々期待するとおっしゃっていました。

抱擁もされてましたが、ずんぐりしたオッサン同士で見た目はあまり美しくはなかったです(笑)。

 

で、最後にもう一度、下野さんが挨拶。

「もう一曲聴いてください。僕は、こうして音楽を演奏できるのは、平和だからこそできることだと思っている。これからも、そうあり続けたい。その想いを込めて、プーランクの平和のためにお祈りください、をお贈りします。本日はありがとうございました。」と。

 

チケットを譲ってもらって行ったコンサートでしたが、とても満足させて頂きました。