昨日は、ウラディミール・ユロフスキー指揮ベルリン放送交響楽団(RSB)のコンサートで兵庫芸文に行っていました。東京・長野・神奈川・兵庫・愛知の7か所を周るツアーの4日目。前プロのソリストにピアノのレイフ・オヴェ・アンスネスとヴァイオリンの諏訪内晶子さん、後プロがマラ1とベト7。組わせで4ケースのプログラムになっています。昨日の公演はプログラム4でした。
ユロフスキーを観るのは、2度目。’17年にロンドンフィルを率い、ソリストに辻井君を迎えフェスティバルホール(こちら)にやってきた時以来です。今も大したことは書いてないですが、当時はもっと何も書いていない記事があります。
ユロフスキーはあまり動き回らず、背筋をピンっと伸ばして上半身を使って指揮をするイメージがありましたが、今回もそうでした。
出演者
首席指揮者/芸術監督:
ウラディーミル・ユロフスキー
ピアノ:
レイフ・オヴェ・アンスネス
管弦楽:
ベルリン放送交響楽団
プログラム前半
モーツァルト:
歌劇『フィガロの結婚』序曲
モーツァルト:
ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調K.467
後半
ベートーヴェン:
交響曲第7番(マーラー編曲版)
ソリストは、レイフ・オヴェ・アンスネス。
昨年12月からの肘の不調で欧米の公演をキャンセルしていたが、2月に復帰して、今回のプログラムのモーツァルトのピアコン21で演奏を再開、好評を博したとのこと。今回の公演でも、上のフライヤーに記載されている当初予定のブラームスのピアコン1から、この曲に変更されました。医師とも相談の結果とのことなので、まだ、あまり負荷をかけすぎてはいけないとの配慮の結果です。
ブラームスのピアコン1からモーツァルトのピアコン21への変更に伴い、フィガロの結婚の序曲が追加されました。
という背景での演奏でしたが、前半は正直、普通と言った感じでした。
フィガロの結婚では、やっぱり弦の鳴りとかいいなと思ったし、アンスネスのピアコンも軽やかで良かったけど、特に感動するには至らなかったというのが本音です。
ソリスト・アンコール曲
フェデリコ・モンポウ:「街はずれ」から 第1曲
ソリストアンコールのモンポウの曲は全く知りませんでしたが、とても綺麗な曲で、これはとても良かったです。
今回のコンサートは在職中の仲間で僕よりはクラッシック音楽に詳しいメンバーと一緒に行ったんですが、帰りがけにアンコールを記載しているボードを見て、「フェデリコ・モンポウって誰やねん?」と話していたら、彼も知らなかったのですが、「スペインの作曲家ですよ。」と周囲の方が親切に教えてくださいました。まだまだ知らないことの方が多いなぁと思った次第です。
アンスネスのピアノは、今回は普通にしか思えませんでしたが、肘の不調から復帰されて演奏してくれただけでありがたいと思っています。また、万全の状態に回復して機会があれば、是非、ブラームスのピアコンを聴いてみたいです。
後半のプログラムは、ベト7。これは、21日のデンマーク国立響と同じ演目。ただし、昨日のは、マーラー編曲版です。
楽器の数を増やして大編成にし、音は変更せず、オーケストレーションの見直しに徹したものとのこと。
これがすごかった!今まで聴いたことがないくらい重厚なベト7でした。
第1楽章、すごくゆっくり重くスタートし、第2楽章もかなり暗い。第3楽章、重厚ながらも激しく強い演奏になって盛り上がり、アタッカで第4楽章に入って、怒涛の攻め。
終盤は弦も金管も鳴りまくり、ティンパニもロシアのオケみたいに打ちまくって、大迫力で圧巻のフィナーレでした。DNSOの軽快に突っ走ったベト7と対照的で、全く違った印象でこれも、僕にはとても良かったです。一緒に行った仲間も興奮気味でした。
カーテンコールで真っ先に、ユロフスキーが称賛のために起立を促したのもティンパニ奏者でした。
オケのアンコールはなし。カーテンコールの3回目くらいで、お辞儀をしながらもコンマスに向かって、ユロフスキーが首を横に振って、「アンコール、やらへんやらへん。今のベト7の後にやるもんなんてあらへんわ」みたいなことを言っているような仕草をしていたように見えました。
一緒に行ったメンバーも「確かにそんな感じで、コンマスに話してましたねぇ。」と言っていたので、僕の思い込みではないと思います。
もちろん、アンコール不要の熱演であったことは言うまでもありません。