現在開催中の「みずほアメリカズ・オープン」で、渋野選手は残念ながら予選を突破できませんでした。

これで、前週のファウンダーズカップに続いて2週連続の予選落ちとなってしまいました。応援しているファンもですが、何と言っても一番辛く、がっかりしているのは、もちろんご本人だと思います。


「プロは結果がすべて」と人はよく言いますが、それはどういう文脈で使うかが大切です。

思うように行かない結果に直面した時、それにきちんと向き合ったり、謙虚に受け止めたりせず、すねたりやけになったり、すぐに諦めたり言い訳をしたり…そんな、自身のやるべきことを真摯に受け止めない場合に、戒めとして言われるのはわかりますが、いまの渋野選手の状況に対して言われるべき言葉ではないと考えます。


いまの、日本の女子プロゴルフ界の盛り上がりのきっかけを作り、扉を押し開けた立役者の一人である渋野選手は、さらなるステップアップを目指してスイング改造に挑み、その過程でケガがあったりという不運も重なり、いま現在も、なかなか新しいスタイルが確立できずにいます。しかしながら、自らに寄せられる人気や期待をしっかりと受け止め、必死に応えようとする姿勢は、いつか結果・成績が伴った時に、改めて評価されるものと信じています。


いまの悔しさや失望、無念さを乗り越えて、渋野選手はきっと復活します。

私は、渋野選手はメンタル的には(少し前)「自信がなさ過ぎて…」と語っていた頃の状況からは、もう立ち直っていると感じます。


今シーズン初のメジャー大会、シェブロン選手権でも、初日4オーバー101位という厳しい状況からスタートした渋野日向子選手。その直前には4試合連続で予選落ちしていて、カットラインが気になる位置で2日目をプレーすることになりながらも、(徐々に上向いてきた状態を裏付けるように)安定したスコアメイクで、トゥデイ2アンダーという結果で巻き返し、久々の予選突破を果たしました。


諸々の条件や状況があって、なかなか満足な結果が出なかった中でも、諦めずに一歩一歩愚直に練習(試行錯誤)を重ねてきたことが、今シーズン初のメジャーの舞台で少しだけ結果になって現れてきたように思われます。


この、今年初メジャーのシェブロン選手権の後、「やっと今年のスタートラインに立てた」と語った渋野選手は、その前週の渋野選手とは違っていました。

何より異なっていたのは、シェブロン選手権で得た「頑張れる理由になる」というその“手応え”ではないでしょうか。

言い換えれば、「私は、まだまだここで戦える」と思えたこと、ではないでしょうか。


確か以前(2020年頃)、何試合かLPGAツアーに参加した後で、まったく自分のゴルフがさせてもらえず、「ここでは戦えない」と打ちのめされたことがありました。

思えば、あの時の「あの思い」から、すべては始まったような気がします。

世界最高峰であるLPGAツアーの舞台で戦い抜くこと。それこそが、渋野選手の目指すプロゴルファーとして目指す人生ではないでしょうか。


「世界最高峰の舞台で戦い抜く」──そのためのスイング改造であり、いままでの努力であったと思います。

自分の打ちたいボールを打てる回数が少しずつ増えて来た、という実感こそ、いまの渋野選手のメンタルの拠り所であり、嵐の港でも船をしっかりと停泊させる錨(いかり、アンカー)のように、目指す目的地を見失わないための大切な精神的支柱なのだと思います。


次戦は、一週間をおいて、いよいよ今シーズン2番目のメジャー大会、全米女子オープンです。

今年のスタートラインに立てた、という思いを込めて、伸び伸びと悔いなく、日々、1ホール1ホール、1打1打に渋野日向子選手らしい、爽やかで、スマートで、力強く、美しく、そして面白いゴルフをぜひやり切ってください。


健闘を祈ります、Go Go渋野日向子選手‼️