2022年、渋野日向子選手は、アメリカツアーのルーキーイヤーとしては、まずまず以上の活躍ができたと(私などの素人には)思われます。
メジャー大会で優勝争いをしてトップ5に複数回入ったり、シーズン後半の出場権や翌年のシード権を早々と獲得したりと、後半戦で予選落ちが続いたことを差し引いても、やはりかなりの存在感を示してくれたし、ファンを(渋野選手らしいゴルフで)楽しませてくれたと言えるでしょう。
調子の波はもちろんありましたが、それはまだまだ(伸び代いっぱいの)成長途上の渋野選手だからこそ。そのこと自体で、悩むことも心配することもないように思います。
そこで悩みこみ、自信をなくしてモチベーションを落とすことの方が、よほどマイナスであり、もったいないことではないでしょうか。
心ある大先輩、経験豊富なプレーヤー、世界の舞台で活躍したレジェンドたちは、言います。どんなスイングが自分に合っているかは、本人が一番わかっている(と言うか、本人にしかわからない)。(自分を信じて)自分の信じることを貫き通すことが大切だと。
話は変わりますが、(いまでこそ多くのリスペクトを集める)野茂英雄氏のトルネード投法についても、当時、日本の野球界はどう評価したでしょうか。
国内でのプロデビューから圧倒的な結果を残したので、(実績としては)野茂選手を認めざるを得なかった一方、トルネード投法については、「認めない」「矯正すべき」だと考える日本のレジェンドやプロ野球OB、解説者は多かったし、野茂選手のメジャー行きについては、さらに批判の嵐(やや極端に言えば、日本野球界からの追放のよう)だったことはよく言われていることです。
そんな中で、ある一人の名選手の言葉は、いまも鮮明に私の記憶に残っています。それは(確か)野茂選手がプロデビューした年に大活躍して投手7冠か8冠を受賞した時の新聞記事に載っていた、江夏豊氏の言葉でした。
「これこそ(野茂選手こそ)が、『プロの個性』と言うものだ」
他の誰もがやっていない、(常識や既成概念にとらわれず)自分の信じるスタイルで活躍してみせること。
プロとして大切なのは、「これだ!」と思った自分のスタイルを信じて、その探求を貫き通すこと、ではないでしょうか。
そして、そのスタイルを完成させるプロセス(ある意味生き様)こそが、プロとして磨くべき「個性」。それが、ほかの誰でもない(プロとしての)そのプレーヤーの魅力になるのではないでしょうか。
そのスタイルが、たとえ常識や理論を超えたものだとしても、その人がそのスタイルで活躍して見せられれば、そこに新しい理論が拓けるかもしれません。
その意味で、野茂選手こそ真の開拓者=パイオニアと言われる所以です。
野茂選手と比べることが妥当かどうかは別として、渋野日向子選手のここまで辿ってきた道は、これこそ「プロとしての個性」を磨くプロセスだと思われます。
ゴルフのプレースタイルで、そして一人の人間としての魅力で、今年も渋野日向子選手は、彼女らしい面白いゴルフによって世界の女子ゴルフ界で存在感を放ち続けてくれることでしょう。
今年も、LPGA、JLPGAは、シブコがいなくちゃ始まらない‼️
頑張れ、渋野日向子選手‼️