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アイドル…兒玉遥の今
 私は齢60代半ばにしてアイドルが好きであるのを公言している。きっかけはAKB48だった指原莉乃で、彼女がスキャンダルと引き換えに博多HKT48に移籍したことからHKT48もネットで見て、好きになった。まだ子供ばかりの何も出来ない、どうにもこうにも箸にも棒にもかからない少女達が地方都市で必死に頑張っている姿が琴線に触れた。追っかけとかはしていない。コンサートにも劇場にも行っていない。本当にライトなファンである。最初に目についたのは今、バラエティで活躍している村重杏奈。ともかく目立つこと優先で周りのことも考えず、悪目立ち専門でギャグは全部滑ってもそれでもおいかぶせる姿に感動。この子、ひょっとしたら売れるかも…と思った。それが現在である。そんな村重や中西智代梨、谷真理佳といったいわゆるバラエティー班が突然来た指原の薫陶を受けて成長していくのが一つの楽しみ。もう一つが正統派アイドルとして今や韓国を通じて世界に羽ばたいている宮脇咲良とHKT48の初代センター兒玉遥であった。この二人に対する指原の英才教育は激しかったと思う。頭脳明晰で一人だけ「大人の世界」にいた指原にとって彼女たちの心や考えは見通せただろう。だから、彼女たちの心に寄り添い、まだ未完成の子供を無理矢理にでも中央に引き上げた。そして、それに応えるべく地方出身ながら中央のスター達と競り合ってずんずんのし上がってきた。その課程を我々ファンは固唾を呑んで見守り、楽しんできた経緯がある。
 その「無理矢理引き上げられたスターアイドルの座」が宮脇・兒玉の二人を苦しめたのは想像に難くない。もちろん、それなりに成功するアイドル・スター達の多くはそんな壁に苦しみ乗り越えて行ってこそ本物になる。そして、宮脇咲良はその座をつかんだ。そして、兒玉遥はそれに押しつぶされた。いや、自らかけたプレッシャーに押しつぶされた。 詳しい経過は知らなかった。しかし、総選挙も神7に入り、絶頂を極めたその瞬間から彼女はおかしくなってきた。そしてファンとして苦しくて見ることが出来ない紅白歌合戦事件。そのあたりから液晶画面の向こうから見ている私にも分かるくらいおかしくなった。休養が続き、表面に現れることもなくなった。久しぶりに出てきたのはさいたまスーパーアリーナでの先輩・多田愛佳卒業コンサートで、その姿は明らかに太りすぎていた。誰が見てもストレスで過食を繰り返した姿だった。よくある20歳になる頃の女性が一時的に太るのとは違って見えた。
 そしてかつてはHKT48のエースであり、指原から「あなたのこと、一番信頼している、HKT48を守るのは咲良よりもはるっぴだと思っている」と抱きしめられた兒玉遥はその実績に反して卒業コンサートばかりか、劇場での卒業の挨拶さえなくフェードアウトしていった。
 その気持ちは指原莉乃卒業コンサートというおよそ「指原莉乃に過去現在関わりがあった全ての人を招きたい」場所にさえ参加できなかった。当然、この場所には例えば観客席とか楽屋裏とかに現れると思っていたのに出られなかった。そして、指原は名前こそ出さなかったけど事情を知っているファンなら誰しも「兒玉遥をリスペクトしている」演出で涙を誘った。
 指原の最後に同席できなかったことでもう兒玉遥はもうアイドルの舞台には立たないだろう、これからは舞台女優として、ドラマ女優として時には裸体をさらすこともあるかも知れないタレントになって現れるしかないのだろう、そう思ったとき、私の中の何かが崩れた。そんな時、ライバルだった宮脇咲良卒業コンサートで兒玉遥が現れたとき、会場は揺れたと思う。指原莉乃卒業の時でさえ実現できなかった「HKT48スリートップそろい踏み」が完成し、晴れてアイドル・兒玉遥が卒業したのを知ったとき、私の胸のつかえが取れた。

 前置きが長くなった。そんな兒玉遥がテレビバラエティ「しくじり先生」に登場、しかも2週にわたってしくじりエピソードを披露するという。私はアベマの見逃し配信で1回目を見た。 https://abe.ma/3rxcGp2
 来週はいよいよ「紅白事件」を語るらしい。ああ、これでまた私の胸のつかえが取れる。兒玉遥は美しく強くなって芸能界に戻ってきた。私は安心して彼女のドラマにおける悪役やラブシーンを見ることが出来ると思う。