2018年3月1日
毎月、第一日曜日に武蔵小山のライブカフェ「アゲイン」にて開催致しております音楽鑑賞会、今月は小野巡を行います。歌手別特集で初めて登場の方で、ビクターからミリオンを経てテイチクへ移り引退の後に2009年に99歳で亡くなられた長寿歌手です。ビクター時代の代表作品は金属原盤から良好な音質でCD化されており、今回は更に再調整して肉声に迫る音質です。ミリオン時代は企画自体の難点と音質も盤質も芳しくなく今回は割愛しました。テイチク時代の作品は一部復刻されておりますが、音質が不鮮明でしたので今回は新品同様のSP盤を使用し、当時同社が宣伝の「ハイフレックス」録音の神髄を再現しました。また僅かですが戦後にも新録音があり今回は2曲をお送り致します。
小野巡で思い出すのが、九州の或る会社の社長が小野巡を愛聴していたと伺い、早速手持ちの音を送りました処、当時のビクターの大型電気蓄音器の音とは迫力が違うとの感想を頂戴した事です。復刻の音質の有り方に就いて考えさせられた忘れられない出来事で、社長よりお礼に頂戴した天然木の文箱は今でも大切に使用しております。
「アゲイン」での催事も丸10年を経て11年目に入りましたので昨年11月から刷新致し、会費は2000円の私の独演形式となり、終了後の感想は無くなりました。
 
3月4日、13時開場・13時半開演、会費2000円(飲物一杯付)、15時前後終了予定。

音楽史研究家 郡修彦