新店舗の出店を考える際、「良さそうな物件が出たけど、どこを見ればいいか分からない」と悩む飲食店オーナーは多いと思います。
私自身も、これまでに複数の焼肉店を出店してきた中で、出店を決めるときに必ずチェックしている3つの視点があります。今回は、そのリアルなチェックポイントを共有します。
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■ ①「今のスタッフが通えるか?」が最優先
最初に見るべきは、現状のスタッフが無理なく通える場所かどうか。
新店を立ち上げるときに、ゼロからスタッフを集めて育てるのは時間もコストもかかりますし、思ったようにいかないことも多いです。
一方で、既存店で働いてくれているスタッフは、お店の理念やサービスを深く理解している“核”の存在。このスタッフが通える距離にあるかどうかが、新店の安定運営に直結します。
「通勤できるかどうか」という一点だけで、出店候補地を即NGにすることもあるほど大切な判断基準です。
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■ ②「ちゃんと集客できるか?」と、それに見合った設備があるか
どれだけ理想的な店舗が見つかっても、その立地にお客様を呼べる確信があるかどうかを冷静に見極めなければいけません。
また、集客ができたとしても、受け入れる側の設備が整っていないと機会損失に繋がります。
特に重要なのが、
• 駐車場の台数(郊外型ならなおさら)
• 厨房の広さや動線
• 席数・テーブル配置のしやすさ
厨房機器や内装などは後からどうにでもなりますが、駐車場や厨房スペースは“建物の構造そのもの”に関わる部分。
これは買い足しでは解決できないため、慎重に見ておく必要があります。
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■ ③「収支が合うか?」条件面の見極め
最後に重要なのが、数字が見合っているかということ。
• 想定している売上に対して、家賃が適正か?• 前のテナントオーナーからの造作譲渡金が妥当か?
この2点は、事業として成立するかを左右する核心です。
たとえば「立地は最高だけど家賃が高すぎる」物件は、経営の健全性を保つのが難しくなります。
長期的に利益が残るかどうかを冷静にシミュレーションして、感情ではなく数字で判断することが大切です。
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■ まとめ:すべては“持続可能な運営”のために
物件選びで重視するのは、ただ「良い場所」や「かっこいい店舗」かどうかではなく、“継続して運営していけるかどうか”です。
• チームが安定して動けるか
• お客様をきちんと迎えられるか
• 無理なく利益を残せるか
この3つのバランスが取れて初めて、“出店してよかった”と思える店舗になります。
これから出店を検討している方は、ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。