泡茶道という言葉を知っていますか? | 清香緑韻

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中国茶の茶飲み話。

 お茶を飲む歴史は伝説を含んで5000年ほどあります。最初は飲むと言うよりは薬として、後に食べるのです。そして飲むことになります。古代では煮てお茶を飲むことから「煮茶」と呼んでいました。これは唐の時代(618~907)まで続きます。宋の時代(960~1279)になると粉末のお茶にお湯を入れ攪拌して飲む「点茶」という飲み方が多くなります。明の時代(1368~1644)に入って、1391年、皇帝に献上するお茶をこれまでの固形のお茶、団茶と呼ばれていたものを、現在と同じように製茶する散茶に変えました。その為、一般的な飲み方も「撮泡法」と言う飲み方に変わります。それ以後現代までこの飲み方は変わっていません。そこで現代のお茶の飲み方は「泡茶」(ほうちゃ)と言います。日本人の漢字イメージからすると「あれ!」と思うのですが、泡の意味は水でお茶を包むと言うことで正しい意味になるのです。日本人も中国人も漢字を使うのですが、語感が違うので分かりにくいかもしれません。しかし、中国茶を知ると言うことであれば、外国から入った言葉ですからそのまま理解する方が自然です。
 

 日本と中国でよく誤解されるのは、こんなことから始まるのです。歴史上よくあることで漢字だから分かっていると思い込むのは危険なのです。
 

 もちろん今回お話ししたことは、全ての中国茶の飲み方の歴史ではありません。大筋の話です。しかし、現代中国のお茶の飲み方は「泡茶」と言うことを知って下さい。中国で「茶を煎れる」と書いたりすると全く分からないのです。ですから私は中国茶を勉強するとき「泡茶」又は「泡茶道」と言うべきだと思います。