中国茶文化への入門の仕方 | 清香緑韻

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中国茶の茶飲み話。

 最近、中国茶文化を本格的に学びたいという人から連絡が時々ありますが、私は次のことをお話しします。

「大事なことは、どの程度の範囲で中国茶文化を学びたいのですか」

ということです。

先にブームが起きたとき中国茶文化は簡単でやさしいというイメージが宣伝されてしまったので、簡単に全てが勉強できると考えている人が多いからです。実は、普通に考えられているほど簡単ではありません。私は提案します。


①中国茶の基礎を知って何種類かのお茶を飲んで楽しむ方。


②中国茶文化の全体像を基本的に覚え中国茶に親しんでいきたい方。


③中国茶芸師国家職業標準の茶芸師になりたい方。

④中国茶文化の幅広い教養を身につけて人生の友として茶を楽しみたい方。


⑤中国茶文化の深遠な世界に茶道としての神髄を見いだしたい方。
 

 

 だいたい以上のようにお話しします。①②は一般的に皆さんにお勧めしている中国茶文化の基本的勉強の仕方です。中国茶文化の入り口は見えてきます。③は誤解している人が多いのですが中国の職業資格ですから職業として茶芸館などに就職する場合のものです。これで、中国茶文化の教養がきちんと身につくと考えることには無理があります。④⑤は教養人として中国茶文化を楽しみ茶人の道を開くものですから、相当な覚悟がなければいけません。もちろん①②を勉強している内に④⑤への興味が駆り立てられ、更に勉強することは素晴らしいことです。
 

 中国茶文化の世界は、5000年の歴史と著名な茶葉だけでも「中国名茶志」によれば1017種類も有り、生産地区は20の市・省・自治区にのぼります。私も長い間勉強しましたがその全てに精通することは生涯かかっても無理でしょう。
 中国茶文化は膨大な量のものですから、あまり簡単に考えていると分かったつもりでいることが誤解で会ったりすることが多いものです。茶文化の世界は心安らぐものですから落ち着いてゆっくりと楽しく勉強していくことが肝心です。