医療と運輸の許認可行政書士、こうのです。
医療法人のルーティン・ワーク、毎年必要な事業報告の流れについて書いてみたいと思います。
● 事業報告書等は2ヶ月以内に作成
医療法人は、毎年、事業年度終了後に事業報告書というものを提出します。
医療法第51条
医療法人は、毎会計年度終了後2月以内に、事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書その他厚生労働省令で定める書類(以下「事業報告書等」という。)を作成しなければならない。
2 理事は、事業報告書等を監事に提出しなければならない。
3 社会医療法人(厚生労働省令で定めるものに限る。)の理事長は、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を公認会計士又は監査法人に提出しなければならない。
ということは、2ヶ月以内に事業報告書等を作成して、理事が監事に提出しなければならないということです。
それを受けて、監事は「監査報告書」を作成します。
医療法第46条の4第7項
監事の職務は、次のとおりとする。
一 医療法人の業務を監査すること。
二 医療法人の財産の状況を監査すること。
三 医療法人の業務又は財産の状況について、毎会計年度、監査報告書を作成し、当該会計年度終了後3月以内に社員総会又は理事に提出すること。
監査報告書は、3ヶ月以内に社員総会か理事に提出しなければなりません。
● 事業報告書等+監査報告書を3ヶ月以内に提出
ところがさらに、事業報告書等と監査報告書は、併せて都道府県知事に提出しなければなりません。その提出時期については、以下の条文に書かれています。
医療法第52条
医療法人は、厚生労働省令で定めるところにより、毎会計年度終了後3月以内に、次に掲げる書類を都道府県知事に届け出なければならない。
一 事業報告書等
二 監事の監査報告書
三 第51条第3項の社会医療法人にあっては、公認会計士等の監査報告書
2 都道府県知事は、定款若しくは寄附行為又は前項の届出に係る書類について請求があった場合には、厚生労働省令で定めるところにより、これを閲覧に供しなければならない。
提出は、3ヶ月以内となっています。
ということは、監査報告書が3ヶ月ギリギリで提出されても困るわけですね。
理事は、事業年度終了後速やかに事業報告書等を作成し、監事の監査を受ける。
監査は、監査終了後速やかに監査報告書を作成し、社員総会に提出する。
モデル定款では、定時総会は決算月とその翌々月に開催されることとなっており、決算申告期限も2ヶ月以内ですから、決算書が入手できたらどんどん進めていかないと間に合わなくなってしまいます。
3月決算の法人であれば、5月末までには定時総会が開催されているはずですが、いかがでしょうか。
引き続き、6月中には事業報告書等を提出しなければなりません。
● 資産総額の変更もお忘れなく
一方、忘れがちなのが【資産総額の変更】です。
財産目録が2ヶ月以内に作成されたら、速やかに登記手続が必要です。
医療法人に資本金という概念はありませんが、代わりに資産の総額を登記します。資産の総額は毎年変わりますので、これを管轄の法務局に、毎年登記する必要があるのです。
これは「忘れがち」と書きましたが、ホントに忘れている法人がけっこうあります。
事業報告書と違って、あまりチェックされないのです。
しかし、定款変更など認可の手続があると、その手続がストップしてしまうので要注意です。
この場合、さかのぼって登記しなければなりません。
このとき、何年さかのぼればよいのか?という質問をいただくことがありますが、すべてさかのぼるしかありません。
というのは、法務局の手続として、資産総額の変更は途中を抜かすことができません。設立時の資産総額からすべて登記しなければならないわけです。けっこう大変なケースがありましたよー。
さらに、この変更については【登記届】が必要ですのでご注意ください。