1992年にファミリーカーの位置付けのランサーの上級グレードとして、4WDターボが登場し「進化」という意味のエボリューションというネーミングで、当初は2500台の限定生産でした。
初代ランサーエボリューション
実は、このエボリューションⅠは人気が高くて、あっという間に2500台が完売してしまい追加生産されました。
そして2年後の1994年に、2代目となるランサーエボリューションⅡが登場します。
ランサーエボリューションⅡ
実は、マイナーチェンジしただけで基本的なボディー形状や車両型式は変わっていません。
ちょっと細かい変更なんですが、タイヤサイズが195/55‐15という細く感じるタイヤでした。
目に見える点での大きな変更はなく、ボディー剛性や足回りの強化等がメインでした。
見た目でわかるのはタイヤサイズの変更で、195/55ー15から205/60‐15インチに変更されフロントにリップスポイラーが装備され、エンジンパワーも250ps/6000rpm・31.5kg-m/3000rpmから10psアップの260ps/6000rpm・31.5kg-m/3000rpmに走行性能が良くなりました。
ランサーエボリューションⅢ
そして翌年の1995年に登場したのが、エボリューションⅢです。
大きな変更点は、フロントバンパーとリアスポイラーの形状が変更になっています。
それから、サイドスカートがエボリューションⅢから装着されるようになりました。
そして圧縮比を高めブーストアップすることで260ps/6000rpmから270ps/6250rpmに更なるパワーアップが図られ、さらに走行性能が高まりました。
そして、ここからグレードもGSRとRSの2グレードが設定されました。
エボリューションⅠ~Ⅲまでは、CE-9Aという型式になっています。
ランサーエボリューションⅣ
1996年に登場したエボリューションⅣからは、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲから大きく形状がかわりました。
ボディーのサイドライン等の変更はなく、フロントバンパーとリアスポイラーとテールランプのデザインが変わり、リアにもアンダースポイラーが装着されました。
ボンネットのエアインテークの形状も変更になり、さらに10psパワーアップの280ps/6500rpmになり、トルクも5kg‐mアップの36.0kg‐mになり、大きく変わったのが駆動系にアクティブヨーコントロールシステム(AYC)が搭載され、旋回性能が劇的にアップしました。
エボリューションⅣは、CN-9Aという型式になります。
そして、ここまでは5ナンバーサイズでした。
ランサーエボリューションⅤ
基本的な形状の大きな変化はありませんが、フロントバンパーとリアバンパーとリアスポイラーの形状が変更になり、最も大きく変わったのがオーバーフェンダーを装着する事で、5ナンバーサイズから3ナンバーになった事なんです。
パワースペックは当時280psの自主規制があったため変更していませんが、トルクが36.0kg‐mから38.0kg‐mにアップされています。
そして、タイヤサイズも205/50‐16から225/40‐17にサイズアップされ、280psのビッグパワーをダイレクトに路面に伝えています。
ランサーエボリューションⅥ
1999年に登場したランサーエボリューションⅥは、テールデザインが変更されフロントバンパーの形状も変更になり、ナンバープレートの位置がセンターから左に装着されました。
そして、皆さんご存知のトミー・マキネンエディションなど市販の特別限定車が発売されました。
そして、これは三菱に勤務していた人しか知らない情報なのですが、私が勤務していた時に香港のトップスターのジャッキー・チェン氏からの特別注文が入り、撮影に使用するスペシャルエディションも作られています。
そして、エボリューションⅤ・Ⅵは「CP-9A」という型式に変更はありません。
ランサーエボリューションⅦ
2001年に登場したエボリューションⅦは、本来は2000年に発売されるはずだったんですが、覚えてらっしゃる方も多いかも知れませんが、不祥事から新型車の発売を見送らざるを得ない状況になったため、2001年の発売となったわけです。
見てお分かりになると思いますが、ベースはセディアなんですがフロント・リアのフェンダーが大型化され大型リアスポイラーを装着することで、セディアとの差別化を図っています。
このエボリューションⅦと同時期に、セディアラリーアートも開発されていましたが、同じ憂き目に遭い発売時期が大幅に遅れました。
まず、大きく変更になった点は、今まで標準はハロゲンヘッドライトでしたが、GSRグレードにはHIDヘッドライトが標準装備となり、夜間での視界確保が格段に高くなりました。
新たなメカニズムとして、前後輪の差動制限を電子制御するACD(電子制御可変多板クラッチ機構)を採用されました。
道路のコンディションに合わせて、「ターマック(舗装路)」・「グラベル(未舗装路)」・「スノー(雪道)」の3モードを車内のスイッチで切り替え、センターデフをコントロール可能になりました。
パーキングブレーキ作動時に作動制限をフリーにする機能も採用されました。
この機能によって、ラリーやジムカーナなどの競技での急旋回が容易になり、旋回性能を高められました。
ギア比もエボVI比で1速がローギアード化され、5速はハイギアード化されました。
このモデルから、三菱はWRCでの活動をグループAからCS2A型ランサーセディアをベースとしたWRカー規定に移行(ネーミングのみエボリューションを継承)したが、これはランエボとランサーセディアで全長などの違いから「ランエボはランエボという単一車種であり、ランサーセディアのバリエーション車種ではない」とみなされて、ランエボは販売台数の不足からWRカー規定のホモロゲーションが取得できなかったため出場を断念しました。
そして翌年には、エボリューションの歴史上で初のGT-Aというオートマチックが発売になりました。
ランサーエボリューションⅦ GT-Aリアビュー
大きな違いは、リアテールレンズがクリアになって、INVECS-Ⅱと呼ばれるスポーツモード付きのATシステムを搭載し、MOMO製のステアリングに変速スイッチを組み込んだステアリングに変更されました。
ランサーエボリューションⅧ
2003年にエボリューションⅧが登場しましたが、見てわかる通りテールライトのデザインはⅦと同じで、違うのはボンネットのエアインテークの形状と、フロントバンパーとグリルの形状が変更になりました。
このグリルデザインは、ダイムラー社から移籍してきたオリビエ・ブーレイ氏がアイデンティティーとして提唱したデザインです。
そして駆動系にも、AYCの内部構造を見直し、制御トルク量を増加させたスーパーAYCを新たに採用(RSは標準で1.5WAY機械式LSD、スーパーAYCはオプション)され、リアウイングは量産セダンとしては世界初のカーボン製になりました。
このモデルから日本国外への輸出が正式に開始されましたが、輸出モデルにはACDおよびAYCは搭載されていません。
そして、このモデルから盗難防止のイモビライザーが全車標準装備になりました。
ランサーエボリューションⅨ
2005年に登場したランサーエボリューションⅨは、エンジンがこれまでの4G63型エンジンから連続可変バルブのMIVECシステムを採用し、タービンをマグネシウム合金製のハウジングに変更されました。
このモデルには、GSRとRSの間にGTというグレードが設定されました。
ミッションは、GSRは6速がGTとRSは5速という設定になっています。
翌年にはMRが設定され、エアダム等のマイナーチェンジがありました。
そして、実は2車種だけステーションワゴンの設定があるんです。
それが、エボリューションⅠとⅨだけなんです。
ただ、エボリューションという名前が付いているのはⅨだけで、エボリューションⅠの型の時はリベロGTというネーミングでした。
ランサーリベロ GT
ランサーエボリューションⅨワゴン
ランサーエボリューションⅦ~Ⅸまでは、CT-9Aという型式に変更はありませんでした。
ランサーエボリューションⅩ
2007年の3月にギャランフォルティスが発売された2ヶ月後に、エボリューションⅩが発売されました。
エボリューションⅦ同様に、先行してスタンダードモデルが発売されました。
ここから大きく変わった点があり、久々のフルモデルチェンジになりました。
エンジンは、これまで搭載していた4G63型から4B11型に変更され、オールアルミブロックを採用することで軽量化と剛性が高くなりました。
ベースボディーはギャランフォルティスと共用し、6速DCT(ツインクラッチSST)を搭載するモデルと、オーソドックスな5速MTの設定がありました。
このツインクラッチSSTを採用する事で、AT限定免許の人でも運転が可能になった事で、MTはちょっと辛いけどエボリューションに乗りたいという中高年層の方や若い女性のユーザーが増えました。
発売当初は280馬力でしたが、2008年10月のマイナーチェンジを機に300馬力へとパワーアップしました。
ここが、280馬力規制終了の年といって良いと思います。
上位グレードのGSRには、デスチャージヘッドライト・フルオートエアコンが標準装備に対して、RSはハロゲンヘッドライト・マニュアルエアコンが装着され、助手席側エアバッグが非装着となります。
ランサーエボリューション ファイナルエディション
2015年にランサーエボリューションⅩのスペシャルエディションとして、1,000台の限定販売で、販売台数に達した時点で予約の受付を終了となりました。
また、「ファイナルエディション」の発売をもって日本国内での「ランサーエボリューションX」の生産・販売を終了することも発表されました。
これは同時に、日本国内市場において乗用車、及び自社生産車種のラインナップからランサーの名前が消滅するだけでなく日本国内での自社開発によるセダン市場から完全撤退する事も意味しています。
“走りに生きた、という誇り。”のキャッチコピーが示す通り、これがランサーエボリューションシリーズはもとより、ランサーシリーズの集大成となりす。
「GSR」の5MT車をベースに、外観はフロントグリルモールをダーククロームメッキに、バンパーセンターとボンネットフードエアアウトレットをグロスブラック塗装に、BBS社製18インチ鍛造軽量アルミホイールをダーク調塗装に変更。ボディカラーは5色を設定するとともに、メーカーオプションとしてルーフ部をブラック塗装とした2トーンカラーも設定しています。
内装は基調色をブラックで統一し、RECARO社製のレザーコンビネーションシート、ステアリングホイール、シフトノブ、パーキングレバー、フロアコンソールリッドにレッドステッチを施した。
エンジンにはナトリウム封入エキゾーストバルブを追加することで最高出力を313psに向上させたほか、ベースグレードではメーカーオプション設定となっているハイパフォーマンスパッケージを標準装備しました。
その他、リアトランクに「Final Edition」のエンブレムを、フロアコンソールにはシリアルナンバープレートをそれぞれ装着し、マルチインフォメーションディスプレイのオープニング画面には「Final Edition」を表示する専用仕様を施しました。
そして、ランサーエボリューションとランサーというネームが消滅したということになります。
パジェロも惜しまれつつ生産終了となりましたが、時期は未定ですが復活するという情報が入っています。
エンジンは、新型トライトンに搭載されているディーゼルエンジンとアウトランダーに搭載されているPHEVの2タイプになる予定だそうです。
新型パジェロスポーツ
日産自動車のテラノは国内では2002年に、海外で3代目テラノが生産販売されていましたが、2022年に生産販売が終了しました。
3代目テラノ(インド仕様)
このテラノも、時期は未定ですが復活するという情報があります。
実は、パジェロの復活と大きな関係があって、共通のプラットフォームで生産されるようです。
日産でPHEVが採用されるかどうかは不明ですが、トライトンのディーゼルエンジンが供給されることは、ほぼ間違いないようです。
新旧のテラノ
大型SUVはトヨタ系のランドクルーザーと三菱のアウトランダーのに車種となってしまってたので、これは大きな期待ですね。
最後まで読んで頂きありがとうございます。