お世話になっております。Kです。




口を酸っぱくして言ってきたおかげか、ようやく秋がやってきました。



何度も窓を開けて確認したので間違いありません。



外に出ても汗をかかないって最高、と言いたいところですが、朝方寒すぎて目が覚めてしまいます。



これはこれで不快。



引っ越したばかりで毛布など冬の準備ができていない今、真冬みたいな服装で寝ることを余儀なくされています。



夏も冬も嫌いな私にとって、秋はゆるりと過ごせる貴重なインターバルだったはずなのですが、早くも辛い時期が始まろうとしています。



何が四季だ笑わせる。



「不快と過酷」に名前変えろ。




◼︎



最近ふとスマホのカメラロールを見ていると、3年前のちょうど今頃、会社の辞表を持って満面の笑みを浮かべている私の写真を見つけました。



もうそんなに経つのかとしみじみと感じていると、ふとクソみたいな記憶が一つ蘇ってきたのでこちらでご紹介します。





前の会社に意気揚々と退職の意を告げた後、即日実家へ転がり込んだ私。



バカ労働の反動で思いっきりダラける日々が続く中、アパートの退去日が迫っていることに気づきます。




めんどい。おそとでたくない。




というのも、転勤の関係で他県にアパートを借りていた私は、荷物を引き払うのもひと苦労。



金欠の私には引越し業者などという選択肢はなく、手伝いを頼める友達もいません。



困りきった私は、最終手段として父親を召喚することにしました。



謝礼金をちらつかせ、なんとか父親をパーティに加えることに成功。



いい歳をして父親に泣きつくみじめさに、思わず目頭が熱くなりました。




そして当日。



実家からアパートまでは片道3時間。積み込みの時間も考慮し、9時ごろ家を出発することに。



道中休憩を挟みつつ、昼過ぎにアパートに到着。




父親と「速攻で荷物積んで、帰って美味いもんでも食おう」と意気込み、手持ちのカバンから鍵を、










鍵なくないか?







いやいやそんなわけない。



普段から車の鍵と一緒にアパートの鍵も付けてたし今日も車を運転できてる。




ってことはアパートの鍵もあるはずああ今日いつもの車じゃねえじゃんハイエースじゃん。




証明完了。

おれの負け。



あろうことか鍵を忘れるとかいうクソ無能。



なにしに来たの?



お前の引っ越しだよ。




鍵がないことを伝えると、父はアメリカ人みたいな頭の抱え方をしてしまいました。



ごめんな。恨むならこんな無能を作り上げてしまった自分の教育方針を恨んでくれ。




しかしこの時点では、2人とも「管理会社に連絡してマスターキーもらえばいいもんね」とまだ余裕が残っています。



さっそく管理会社に電話し事情を説明すると、ベテランっぽいお姉さんが「近くの営業所で鍵の受け渡しができる」旨の説明をしてくれました。



お姉さんの説明はこう続きます。






「営業時間内での対応となりまして、土日は営業所がやっていないので、お渡しは週明けになるかと、、」









嘘だろ?



3時間以上かけてここまで来て、玄関見て帰るの?



駄々を捏ねてみますが、どうしても営業所でないと鍵は渡せないとのこと。



はーつっかえ。辞めたらこの仕事?




管理会社に愚痴りつつ、鍵を貰えないことを伝えると、父はとうとうしゃがみ込んでしまいました。



私も空を見上げることしかできません。



どうしようね、これ。



アパートの退去日も迫っているし、スケジュール的に父の協力を得られるのは今日しかない。



もういっそ窓叩き割って入るかと考えていると、父がおもむろに顔をあげ、「ベランダは?」と言います。




確かに。



私は2階に住んでいたため、わざわざベランダの鍵なんて閉めていない可能性が高い。



おまわりさんが飛んできそうな絵面に目を瞑れば、これ以上の策はありません。




しかしどうやって登るか。



結構な高さがあるため、ハイエースの上に乗ったとしても全然届きません。



どうしたものかと思案していると、父がどこかを見ています。



視線の先には、お隣の家で庭の手入れをしているおじいさん。



その先に、高所作業用と思しき脚立がありました。






父「よし、あれ借りてこよう」






やめとけって。



「あそこの家の2階のベランダに登りたいから脚立貸して」って言うの?



見たことないよそんな堂々とした空き巣。




しかしなりふり構わない父の強い意志が功を奏したのか、なんと脚立を借りることに成功。



しかもなぜかバランスを崩さないよう脚立を抑える役割まで担ってくれるとのこと。



この短時間でえげつない弱味握ってきた?



理由はどうあれ、不審者でしかない私たちにここまでしてくれるおじいさんのためにも、絶対にベランダに登ってみせる。



おじ全面協力のもとベランダに脚立をかけ登り、ついにベランダに到着。



勢いよく窓に手をかけ、






ガガッ 






開かない。





膝から崩れ落ちました。



2階のベランダの鍵なんて開けとけ馬鹿が。





結局、何もせず尻尾巻いて逃げ帰ってきました。



無能にも効く薬出してくれる病院を探してみようと思います。