お盆が終わりましたね。

世間の慣習にならい、私も実家に帰省してまいりました。

ソファに横たわっているだけで定期的に食事が提供され続け、「肥育」の2文字が頭をよぎる日々でした。

それだけでなく掃除、洗濯、ゴミ出しにいたるまで自動で遂行されるこの環境。
人類の到達点と言って差し支えありません。


一方で、母から「いつまでいるの?」という言葉を通算12回かけられたことから、100%歓迎されていたわけではなかったことがわかります。





そんな母、健康のため糖質制限をしているらしいです。

できるだけ血糖値を上げないように食事に気を配っているようで、ごく少量の玄米や低糖質パンを主食としています。

大きめのコオロギのような食生活を送る母に、胸が痛くなりました。

「このままだと美味しくないからひと工夫して食べてるの」と言う母は、低糖質パンにマヨネーズをかけていました。

なぜそのパンを食べるに至ったかを、パンを温めている間に忘れてしまったようです。


そんなコオロギ夫人、食事をしていたかと思えば、おもむろに床に寝転がって上半身を上げたり下げたりし始めます。

その行動を終えた後は何事もなかったかのように食事に戻るので、強い恐怖を感じます。

納涼ここに極まれりといった格好です。

のちに本人は、「血糖値上昇を防ぐための腹筋」と供述していました。

そういう寄生虫に体を操られているのかと思うほどには異様な光景だったので、自分の意思と聞いてほっとしました。

ちなみにきちんと回数は数えていませんでしたが、時間にして5秒ほどだったので、私の知っている腹筋とは違うものみたいです。


食事を終えた後は、自室にこもり趣味にいそしみます。

この趣味というのが母を象徴する点の一つであり、最大の特徴といえます。

母の趣味、それは楽器をたしなむことです。

数年前からお琴を習い始め、四苦八苦しながらもみるみる上達していく母。

急にどえらい額のお琴を買って家族一同の度肝を抜くこともありましたが、習い始めてからはなんだか楽しそうです。

その姿を見て、何かを始めるのに遅すぎるということはないんだなと、勇気づけられるようでした。

朝から琴の音色で起こされるなど、優雅さと不快さの天秤がギリ不快に傾くイベントもありますが、本人が楽しそうなので何も言いません。





そんなミセスキリギリス、趣味の時間を終えると今度はYouTubeを見始めます。

「大型犬を飼おうか迷っている」とのことで、最近はYouTubeにかじりつき資料映像を眺める日々だそうです。

興味本位で視聴履歴を見せてもらうと、「プロに聞く!しつけの方法!」や「上手な散歩のしかた」などのタイトルが立ち並んでいました。

もう飼うのが確定している上に、3手ほど先を見据えています。

なんなら名前と性別もすでに決めているようで、それらの条件に合う個体を選定するフェーズに入っています。

性別は「女の子しか認めない」と高らかに宣言しており、昭和の時代を生き抜いたがゆえの偏った思考が垣間見えます。

また「お散歩が大変だよねえ」とまっすぐに私の目を見て言っていることから、完全に私を頭数に入れて試算していることが窺えます。

私のことを母犬だと思わせるくらい完全に手懐け、私を飼育の歯車として組み込んだことを後悔させてやろうと思います。

お迎えする日が、今から楽しみです。





母親観察日記、いかがでしたでしょうか。

お金も時間もかからずできますので、夏休みの自由研究にお困りの方はやってみるのもいいかもしれません。


父親観察日記編でお会いしましょう。

それでは。