己を指し示す言葉、一人称。
どんな言語でもたいてい一人称は1つか2つですが、日本には数え切れないほどの一人称があります。
我々日本人からすれば慣れっこですが、世界的に見るとそれは決して当たり前ではありません。
例えば急に「おじさんはね〜」と言われたとして、「これは一人称の『おじさん』だな」と判断できる外国人がどれくらいいますかという話です。
彼らの持っている教材には載っていない単語でしょうから、混乱は免れません。
さらにそこで間違った一人称をインプットして母国に帰った場合、母国で「日本人の一人称はキモい」という情報だけが一人歩きしてしまう恐れがあります。
そうした事態を未然に防ぐためにも、インバウンド向けに日本の言語、とりわけ一人称について学ぶ教材が必要だと感じました。
そこで、中学時代国語の成績が5だった私が、日本でよく使われる一人称の種類について解説していきたいと思います。
① 私
最もポピュラーかつフォーマルな一人称です。
困ったらこれを使っておけば間違いありません。
大多数の女性がこれを使うことから女性用一人称だと認識されることもありますが、男性も多く使います。
なんなら「きちんとしている人」という印象を与えられます。
女性らしさを求めるなら「あたし」、高貴さを演出する場合は「あたくし」が適しています。
② 僕
基本的に男性が使うもので、「私」よりも少しくだけた印象を与えます。
女性が使ってダメということはありませんが、ローンを組む時などに不利に働く恐れがあります。
基本的に使い勝手のいい一品ですが、
「ボク」と書くと一気にGACKTみを帯びてしまいます。
難しくても漢字で書きましょう。
③ 俺
こちらも男性向けで、世の男性が一番普段使いしているであろう一人称です。
男らしさを前面に押し出すものであるため、少し粗暴な印象を与えます。フォーマルな場では控えた方がいいでしょう。
イントネーションは お↓れ↑ です。
お↑れ↓ にすると男子小学生が寄ってきてしまいます。発音に気をつけましょう。
④ うち
主に女児〜女子高生が使います。
20歳を超えてもこの一人称を使う人がいたら、その人は常識がなっていません。距離をとった方がいいでしょう。
表記揺れとして「ウチ」「ぅち」「ゥチ」などがありますが、相手にかなりのストレスを与える字面です。
どうしても使いたい場合は「うち」にしておきましょう。
⑤ 自分
運動部、もしくは運動部上がりが使う一人称で、信用ならない人間が好んで使います。
社会に出ても「自分」だと、運動部の頃の価値観をアップデートできていませんと言っているようなものです。
内輪ノリを押し付けられそう、意識高い系の本だけ買って満足してそう、根拠のない自信にまみれてそう、と相手は警戒してしまうわけです。
やむを得ない事情でもない限り、使わない方がいいでしょう。
以上、一人称講座 初級編でした。
紹介したものはほんの一部分であり、これに加えて二人称、三人称があることを考えると、日本語がいかに複雑な言語かがわかります。
こんな難しい言語を普段から使っているんだいう誇りを胸に、積極的に外国人にマウントを取っていきましょう。
それでは、上級編でお会いしましょう。