小学校の歴史の授業 こはにわの驚き 後編 | こはにわ歴史堂のブログ

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朝日放送コヤブ歴史堂のスピンオフ。こはにわの休日の、楽しい歴史のお話です。ゆっくりじっくり読んでください。

実におそるべき話を子どもたちが言い始めたのです。
それは

「教科書の後ろに年表あるやんか。先生が、はいそこ開いてぇ~ と言って、今から言うところに×つけなさ~い、て言い始めて、はい、ここ×、ここ×、はい、ここやらない、て、やらへん時代に×つけさせていくねん。」

「??!!」

「うん、そうやで。うちとこもそうやったよ。はい、次の奈良時代、やりません、て、先生が言うねんよ。」

もう私は絶句しました…

「…で、奈良時代は×印なん?」

「うん。」

また、別の生徒は、

「見学で奈良行って大仏見たから奈良時代は終わり、て、言われた。」

と、言うではありませんか。

たった一人の、たった一校の、たった一つのクラスの先生がそうだった、というなら、まぁそういうこともあるかもしれません。
でも、複数の学校(わたしは○○市立××小学校とハッキリ名前も確認しました)でそんなことがおこなわれている、というのは俄に信じられませんでした。

そしてまた、ある生徒は、皮肉たっぷりに、

「小学校なんか横並びやから、先生、他のクラスもみんな同じことしてるで。」

と言うではないですか…(「横並び」なんて言葉が中学1年生から出てきてそれもまた、私は衝撃でした。たぶん、お父さんやお母さんがそうおっしゃっていたのかもしれませんが…)

うんうん、と、うなずいている子も何人もいました。

いや、実はこの「横並び」というのは、ある意味鋭い指摘なんですよね。

わたしの友人にも、けっこう公立の小学校や中学校の先生がいて、こういう話を聞いたことがあります。

「何かちょっとでも違うことしたら、『困ります』という先生、いるんよ。」
「同じにしてもらわないと…」迷惑だ、というような顔をされる、そうなんです。

公立の小学校で「横並び」というのは、何かをする、ということでそろえるのではなく、何かをしない、ということでそろえる、ということなんだそうです…

誰か先生が何かしようとしても、わたしもそれをする、ではなく、あなたそんなことしないで、となるそうなんですよね。

きっと、ちゃんと奈良時代を教えよう、とすると、他の先生から、なに勝手なことするねんっ 困るやん、そんな勝手なことしたらっ と「怒られる」わけです。

ある先生が奈良時代をしっかり教えて、隣のクラスの先生が教えないなら、子どもたちや保護者が苦情を言うんでしょうね。

「隣のクラスではちゃんと習っている!」

それを言われないようにするには「みんな同じにする」。その同じ方向性が、「ちゃんとやらない」という方向になるのなら悲劇的としか言いようがありません。

「いやいや、そんなことはわかっているんですよ、でもね、いろいろ忙しいし時間も無いし、そんなたくさんのことおぼえられない子もいるし… 現実、すべて教えることはできないんです。」

と言われることでしょう。

ある意味、暴言じみたことを言わせていただきますと、教師は、やはり、すべてのこと(教えるべきこと、教科書に書いてあること)を、時間が無かろうがわからない子がいようが、まずは、しっかりと教えればよいんです。

100の提供すべきことをやったって、どうせ30しか理解できないねん、だから30だけ教えたらよいねん、という発想はアカンということです。

昔、塾で講師をしていたとき(15年以上前のことですが)、子どもたちはよく先生の“悪口”
を言うていました。だめだよ、そんなこと言っては、と、たしなめることはありましたが、まぁ、学生は教師の悪口を言う、なんて何年も前からよくある話じゃないですか。
感心すべきことでは無いですが、まぁ、よくある“光景”です。

そんな悪口の一つに、「先生、前で教科書を読んでるだけやで。」というのがありました。

でもね、年表出して、今から言うところやらないから×つけろ、というご指導より、はるかにそのほうがマシですよ。(少なくても教科書に書いてあることは全部、読んでいるわけですからね。情報はすべて提供されている…)

歴史記述はやはり因果と連続性です。

たとえば

「コップが割れてん。」

と、話し始めたら、たいていの人は、え? どうしたん? と聞きますよね? いや実はさ、とストーリーがそこから始まります。

縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、ときて、奈良時代を抜きに、次、どこに行くんでしょう…
いや、ひょっとしたら、何かそれでもいける授業方法があるのでしょうか…

「え~ いくなんでも、年表出させて、今から言うところやらへんから×つけろ、なんて授業していないでしょう、ちょっと子どもの誇張があるんじゃないの?」

と、思われた小学生をお持ちの親御さんたち。
もしこのブログを読まれたら、「学校ではどんなふうに歴史習っているの?」と聞いてみてください。

ひょっとしたら、もっともっと「おそろしい話」が出てくるかもしれません。
残暑きびしいこのごろ、ちょっと背筋が寒くなる“怪談”を聞くことができるかもですよ~