実におそるべき話を子どもたちが言い始めたのです。
それは
「教科書の後ろに年表あるやんか。先生が、はいそこ開いてぇ~ と言って、今から言うところに×つけなさ~い、て言い始めて、はい、ここ×、ここ×、はい、ここやらない、て、やらへん時代に×つけさせていくねん。」
「??!!」
「うん、そうやで。うちとこもそうやったよ。はい、次の奈良時代、やりません、て、先生が言うねんよ。」
もう私は絶句しました…
「…で、奈良時代は×印なん?」
「うん。」
また、別の生徒は、
「見学で奈良行って大仏見たから奈良時代は終わり、て、言われた。」
と、言うではありませんか。
たった一人の、たった一校の、たった一つのクラスの先生がそうだった、というなら、まぁそういうこともあるかもしれません。
でも、複数の学校(わたしは○○市立××小学校とハッキリ名前も確認しました)でそんなことがおこなわれている、というのは俄に信じられませんでした。
そしてまた、ある生徒は、皮肉たっぷりに、
「小学校なんか横並びやから、先生、他のクラスもみんな同じことしてるで。」
と言うではないですか…(「横並び」なんて言葉が中学1年生から出てきてそれもまた、私は衝撃でした。たぶん、お父さんやお母さんがそうおっしゃっていたのかもしれませんが…)
うんうん、と、うなずいている子も何人もいました。
いや、実はこの「横並び」というのは、ある意味鋭い指摘なんですよね。
わたしの友人にも、けっこう公立の小学校や中学校の先生がいて、こういう話を聞いたことがあります。
「何かちょっとでも違うことしたら、『困ります』という先生、いるんよ。」
「同じにしてもらわないと…」迷惑だ、というような顔をされる、そうなんです。
公立の小学校で「横並び」というのは、何かをする、ということでそろえるのではなく、何かをしない、ということでそろえる、ということなんだそうです…
誰か先生が何かしようとしても、わたしもそれをする、ではなく、あなたそんなことしないで、となるそうなんですよね。
きっと、ちゃんと奈良時代を教えよう、とすると、他の先生から、なに勝手なことするねんっ 困るやん、そんな勝手なことしたらっ と「怒られる」わけです。
ある先生が奈良時代をしっかり教えて、隣のクラスの先生が教えないなら、子どもたちや保護者が苦情を言うんでしょうね。
「隣のクラスではちゃんと習っている!」
それを言われないようにするには「みんな同じにする」。その同じ方向性が、「ちゃんとやらない」という方向になるのなら悲劇的としか言いようがありません。
「いやいや、そんなことはわかっているんですよ、でもね、いろいろ忙しいし時間も無いし、そんなたくさんのことおぼえられない子もいるし… 現実、すべて教えることはできないんです。」
と言われることでしょう。
ある意味、暴言じみたことを言わせていただきますと、教師は、やはり、すべてのこと(教えるべきこと、教科書に書いてあること)を、時間が無かろうがわからない子がいようが、まずは、しっかりと教えればよいんです。
100の提供すべきことをやったって、どうせ30しか理解できないねん、だから30だけ教えたらよいねん、という発想はアカンということです。
昔、塾で講師をしていたとき(15年以上前のことですが)、子どもたちはよく先生の“悪口”
を言うていました。だめだよ、そんなこと言っては、と、たしなめることはありましたが、まぁ、学生は教師の悪口を言う、なんて何年も前からよくある話じゃないですか。
感心すべきことでは無いですが、まぁ、よくある“光景”です。
そんな悪口の一つに、「先生、前で教科書を読んでるだけやで。」というのがありました。
でもね、年表出して、今から言うところやらないから×つけろ、というご指導より、はるかにそのほうがマシですよ。(少なくても教科書に書いてあることは全部、読んでいるわけですからね。情報はすべて提供されている…)
歴史記述はやはり因果と連続性です。
たとえば
「コップが割れてん。」
と、話し始めたら、たいていの人は、え? どうしたん? と聞きますよね? いや実はさ、とストーリーがそこから始まります。
縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、ときて、奈良時代を抜きに、次、どこに行くんでしょう…
いや、ひょっとしたら、何かそれでもいける授業方法があるのでしょうか…
「え~ いくなんでも、年表出させて、今から言うところやらへんから×つけろ、なんて授業していないでしょう、ちょっと子どもの誇張があるんじゃないの?」
と、思われた小学生をお持ちの親御さんたち。
もしこのブログを読まれたら、「学校ではどんなふうに歴史習っているの?」と聞いてみてください。
ひょっとしたら、もっともっと「おそろしい話」が出てくるかもしれません。
残暑きびしいこのごろ、ちょっと背筋が寒くなる“怪談”を聞くことができるかもですよ~