第 11 章 應暉(7)
默笙が出勤した時には目の赤い腫れはまだ引いてなく、小紅は真剣に彼女の目について考えてから重苦しい哀悼の口調をして彼女に尋ねる
「失恋したの?」
默笙は低い声で彼女の重苦しい哀悼に合わせて
「小紅は負傷者を慰めるのに牛飯をご馳走してくれるの?」
小紅は真剣に考え続けてから言う
「それじゃあ、あなたは失恋しちゃだめよ」
白氏が買った新聞には應暉のニュースが第一面の見出しになっていて、默笙が彼の机の横を通り過ぎる時にそれが目に入り、無造作に持ってきてしまった。
新聞には長い記事で應暉のこれまでの経歴を報道して、溢れる程の美しい言葉で記事の最後には大衆紙の特徴通りに應暉が口にした夫人に対する多方面にわたる噂話しを憶測で書いていた。
默笙が新聞を置くと長い時間動悸が治まらない
彼女のアメリカでのことをよく知る人は少なくて、娟お姉さん一人で、だけど娟お姉さんは帰国後自分に連絡してきてないから残っているのは應暉だけ。
実際に應暉に対して默笙はそのほかの感情よりも遥かに感謝をしている
結局彼は自分を助けてくれた
その上、彼がお酒に酔ったあの時でさえ最終的には何の具体的な傷ももたらさなかった。
躊躇って・・・
やっぱりパソコンをつけてSOSOメールのULRを入力して、默笙は自分が帰国してから使っていなかったメールボックスから應暉のメールアドレスを選んだ。
メールの内容を数回、何度も書き直して最後に一言だけ書き残した
――「應お兄さん、昨日のホテルのロビーでのことありがとうございました」――
メールを送信して数分後、メールボックスは新しいメールが有るのを示したので默笙はすぐに更新して開く
受信者 : 趙默笙
送信者 : IN
主題 : Re: 無主題
不必(何も)
至極簡単な二文字
慣れないものが真正面からぶつかって默笙の指がキーボードの上で停止する
何を言っているのかわからない・・・
頭の中にはC大で聞いた学生らの噂が突然浮かんですぐに返信をした
――「應お兄さん、今回戻って来てから彼女に会えましたか。
もしかしたらまだチャンスがあるかもしれないですよ」――
今度は長い間返信がなく
默笙は少し後悔をした
自分は超えてしまったようだ。
各自それぞれの心の奥底には触れることのできない部分があって、その人のことはもしかすると應お兄さんの一番深い傷なのかもしれない・・・
夜になって默笙が以琛にこの話しをすると、以琛は彼女をちらっと見て四文字を言う
「果然遅鈍(案の定、愚かで鈍い)」
それぞれのれから一言付け加える
「幸運にも君はちょっと鈍い」
默笙は愕然とした。
一か月以上後、默笙は定期的なメールボックスの整理をしてやっと應暉からの返信を見つける
メールの日付けは二日前で默笙が開く。
受信者 : 趙默笙
送信者 : IN
主題 : Re:Re:Re:無主題
全ての人が何以琛のように長く果てしの無い寂しさを守れるわけじゃない
默笙、私はもう心変わりをしている
追 : 少し早いがメリークリスマス
默笙はぼんやりと画面を眺めている
短い二行の文字はむしろ長い時間を経てやっと出せた、もしかしたら返信した人も何度も打ち直してかなり長い時間考えたのだろう。
この一瞬
幾らかの事が默笙にはわかったようで、あっという間にある直感で逃避して
マウスポイントは削除に向かい、躊躇ったのち離れて最後はただメールボックスから退出をした。
彼女はこの先このメールボックスを使用しないかもしれない
このメールはきっと静かにネットの片隅で横たわることだろう
誰も開かず・・・
決して消えない
秋はやがて寒波が訪れる中で終わり、小紅の影響で默笙はマフラーを編むのに嵌っていたが残念なことに何時も編み間違いをしたり、ゆるかったりきつかったりまちまちで統一性がない。
以琛は彼女の思いやりには感謝はしてもどうしても自分から首に巻く勇気がでなかった。
クリスマス当日の夜、以琛は以玫やその恋人の張續を一緒に誘う。
張續は以玫の上司にして恋人で大変ユーモラスな人で以琛も今回初めて彼に会った。
食事を終えて出ると外は小雪が舞いだしているのに気が付く。
若者と子供らは街で飛び跳ね、この冬A都市での初雪の到来を喜んで声を上げている。
默笙と以玫は道端に立って車を取りに行った以琛と張續が戻ってくるのを待ち、その間に以玫が笑いながら言う
「来年の私の結婚の時にあなたを介添え人として呼びたかったのに、まさか以琛がこんなにも待っていられないとはね。でも彼のせいにはできないわ。彼はたぶんね、長いこと我慢してた・・・」
言いながら曖昧な瞬きをする
默笙の顔が赤くなる
何時、以玫もこんな正しくない経験をしたのだ。
以玫は大笑いをしてから振り向いて大通りの向こう側で彼女に向かって手招きしている張續を見てから默笙に対して言う
「あなた達には付き合っていられない。先に行くね」
「ええ」
默笙が頷くと以玫は二歩踏み出して止まり振り向かずに
「あなた達は必ず幸せになるはず。たとえ・・・」彼女は小さなほとんど聞き取れないような声で
「これは私のため」
默笙はぽかんとして彼女がもう急ぎ足で大通りの向こう側に行ったのを何時までも眺めている。
以琛が戻って来た時、默笙が足元を見つめてぽかんとしているのを見て言う
「以玫は先に行ったのか?」
「ええ」
默笙は頭を上げるが車が見えない。
「雪だ。俺たちは歩いて帰ろう」
「ええ」
彼女のそれほど熱心じゃない反応は以琛を少し怪しませる。彼女が小躍りするかと思っていた。
默笙ははっきりしない頭で上の空で歩き、今にも街灯にぶつかりそうになって大きな両手がすぐさま彼女を引き止め
「君は頭の中で何を妄想している?又、反省文を書くか?」
默笙の遠くに飛んでいた気持ちは次第に戻り、顔を上げてぼんやりと彼の責めるような顔をみて突然彼を抱きしめたくなって・・・手を無意識に彼のコートの中に伸ばして止まる
「以琛・・・」
以琛は彼女に突如された動きに驚いて低い声を放つ
「どうした?」
彼の胸の中に顔を埋めて横に振り軽くこすると悶々とした声で
「・・・何でもない」
以琛は彼女の手を開いて一体どうしたのか見たいのに、默笙はどうしても放そうとはせずに逆に更にきつく抱きしめる。
「默笙!」致し方ない口調
彼女が何故突然こんなにベタベタするのかがわからない
「こんなに大きいのに甘えたりして人に笑われるぞ」
以琛は頭を低くして彼女の耳元で言った。
馬鹿を言って!
そんなことないでしょ!
「えっ・・・私が買ったコートが暖かいのか暖かくないのか試してみたのよ」
なすがまま・・・
以琛はどうすることもできずに彼女が抱きしめるに任せて苦笑いをし、通行人の怪しんでいるのか若しくは羨んでいるかの眼差しを受け入れる。
小雪が舞い落ちる夜、人が行き交う繁華街の道端で初めてクリスマスが祝日だと感じた。
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何時も来てくださってありがとございます
何時もいいね!ありがとうございます
第11章が終わり、次回からは本編の最終章となります
そのあとも短編が続きますが・・・
なんとか頑張ります