何以笙簫黙第 7 章 若即(6) | アジアドラマにトキメキ!

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第 7 章 若即(6)

「君、英文はどうだ?」

見聞を広めてなくていい。まるで全く気にかけ無いように尋ねた。

英文?

何故、突然この話題を出すんだろ。

「まだ、いいと思うけど。でも・・・四級はまだ持ってない」

アメリカに行く前に、初めて四級の試験を受けて名誉ある成績ーー59点。

恥ずかしくもなく言い出せたもんだ。

「俺と一緒に行こう」以琛が言った。

「えっ?」

黙笙は驚いて頭を上げて彼を見る

「何処に出掛けるの?」

「事務所。資料の翻訳を手伝ってくれ」

 

 

訳せない。

黙笙は紙面上の英文に目をむいている。

どうしようもない

外国であんなに長い年月を無駄に過ごしてしまったか。

以琛に聞く?

ちょっと見上げても彼はとても忙しいらしくて邪魔するのはよくない。

 

静かなオフィス内に突然着メロが鳴り響き、以琛は右手で書類を捲りながら左手で電話を受ける。

「もしもし・・・事務所に居ます・・・いや、結構です。今日はちょうど用事があって」

電話の相手は何をしゃべっているのか以琛は笑いだし

「周さん、いつ仲人を始めたんですか?」

相手の周氏も笑い苦しみ

「どうせ妻があちらに無理強いしてるんだろうがこの前、彼女が事務所に来て偶々君を見かけて、早くも君に紹介するつもりでいるんだ。我が家のばあさんは他に趣味がなくて、結婚を取り持つのが好きなんだ。しかし、ほんと言って何君、私は身内の話を助けるわけじゃないんだが、我が家のばあさんの姪はかなりいいんだよ。学識、容貌、人柄、誓って君に劣らない。検討してくれないか?」

以琛は笑って

「周さん、あなたは私によくない不倫をさせるおつもりですか?」

「何、不倫?」

周氏の反応は鈍くやって来て

「君は結婚したって言うのか?」

叫んだ後、すぐに自分で反論する

「ふざけないでくれ。どんな人でも結婚の可能性は有る、だが他でもない君、何以琛にはあり得ないことだ」

 

どんな話なのか以琛は失笑してる・・・

 

電話を掛けながら以琛はちょうど傍らで幾らか没頭している黙笙を見る。

又、ペン先を噛んでる・・・

それは何度諭しても改めない悪い癖!

昔、微積分ができないと何時もこうだった。暫くしてから彼に宿題を押し付ける。

彼を見て「以琛・・・」と関心をかっていた。

 

法律を勉強する彼を同情し、微積分学はまだ理工科よりましだとも思っていた。

「以琛・・・」

実際にこれ以上訳せなくなって頭を上げて助けを求める。

 

ああ!

彼女の近くまで行き、とても慣れた感じで手の中の物をもって近づく

「どこ?」

「ここなの。ここは何て訳せばいの?」

”mobilia personam sequuntur”

”動産隨人”

とても専門的な名詞でしかもラテン語。彼女ができないのも無理はない。

 

彼の息が近づいて彼女の鼻間を駆け巡ると黙笙は昔、同じ所で自習を始めたことをふと思い出した。

 

彼は何時も大真面目に言う

「黙笙、俺の近くに座るな」

「どうしてなの?」

彼の後についてきて自習を始めただけなのに。

「俺の邪魔をするのが上手い」

少し悲しんで、だが直ちに手を挙げて誓いを立てる

「私は約束する。あなたと話もしないし、おやつを買いに外にも出ないし、動き回りもしないし・・・」

結果、彼女の話が終わるのを待たずにすぐに挫折した顔で言う

「君が静かになっても俺の邪魔をするはずだ!」

なんでよ!その時、彼女は本を奪い取って逃げ出した。

 

しかし、今の彼女は少しわかっているようで・・・

なので彼も何もしないでただ、彼女の後ろに立って身体を俯きにして爽やかな男性の息遣いで彼女を取り囲む。

髪は彼の上着に沿って擦れる感じがして、彼女が頭を上げるとすぐに彼の下あごにぶつかる可能性がある。

顔は全くわけがわからず熱くなり出し、彼はとても彼女の邪魔をしている・・・

それから自分が何かをする前に彼女自身は感じ取りさえしないで、思いっきり立ち上がり頭頂部が少しの容赦もなくある人の下あごにぶつかった。

「何をしてる?」

以琛はぶつかって痛む下あごをそっと押さえて彼女にびっくりする。

「あっ、私・・・」

黙笙はとても言うことが出来ずに、顔は火照れば火照るほど赤くなり

「・・・私、私、ご飯を食べに行きたい」

言い終えて早くも悩む。

一体なんて言う口実なの。今はやっと・・・壁にかかった時計を一瞥すると、十時半にもなってない。

「今?」以琛は思った通り眉を潜める

「うん、そうなの。朝、ちょっとしか食べなかったの」

詰まるところ面の皮を厚くしたのだ。

執務する机の上の山積みになっている仕事を一瞥してから、目の前の”空腹”という表情のちょっと奇妙な黙笙を二度見して以琛は降伏する。

とっくにわかっていた。

彼女を事務所に連れてきたのは完全に間違っていた。

 

 

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何時もありがとうございます

第7章が終わりまして

次回からは第8章にはいります

 

後半・・・かなり激しく展開します(笑)

おばちゃん・・・赤面です!!