本日は引き続き、前々回に引き続き、痛み止めシリーズをお送りします
今日はロピオンを取り上げてみようと思います。
以下にまとめる内容は、私の場合はこんなふうに疼痛管理をしてもらったよというご報告と、使用した薬剤の紹介がメインになります。
同じ薬であっても、効き方には個人差がございます。
また、全身状態によっては、同じ薬剤が使用できない場合もありますので、その点を踏まえてお読みくださいね。
私が使用した鎮痛薬一覧
- セレコックス(内服薬)
- アナペイン(硬膜外麻酔)
- ロピオン(静脈注射)
- ボルタレンサポ(座薬)
- モーラステープ(湿布薬)
(2022年2月13日現在)
以前、【疼痛管理】術後の痛みはどれくらい?という記事の最後に、ロピオンを使ってもらったら痛みが軽くなったというエピソードを書いたかと思います。
私が初めてロピオンを使ってもらったのは、術後2日目の夜でした。
2日目の昼には硬膜外麻酔のチューブも抜け、それまでよりも痛みを自覚しやすくなっていたのは確かでした。
なので、看護師さんの方からロピオンを使ってみることを提案していただけたのは、本当にありがたいことでした
ロピオンとは、こんなお薬です!牛乳みたいな白い液体
(お写真はロピオンの製造販売元の(株)科研製薬さんのサイトからお借りいたしました。)
ロピオンとは
ロピオン(一般名:フルルビプロフェン アキセチル)とは、数あるNSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性鎮痛薬)の中で、唯一の静脈注射用製剤(血管内に直接投与するお薬)です。
このお薬の適応は、癌性疼痛、術後疼痛に限られていますので、馴染みのない方あまり聞きなれないお薬かもしれません。
使い方は、このアンプル1本(ロピオン50mg)をゆっくりと静脈内に注射するか、生理食塩水にとかして点滴として使用します
私は1日1回寝る前に、術後2日目から5日目まで使用してもらいました
このロピオンね、私はめちゃくちゃよく効きました
即効性もあるし、もう最高〜
術後5日目でルートがダメになってしまった(血管内に留置していた針が使えなくなった)ため、私はそこで切り上げたけれども、そうじゃなければもう少し使いたかったかもと思いました
私の大好きな添付文書によると…
健康男子6名に本剤5mL(50mg)を単回静脈内投与した場合、フルルビプロフェン アキセチルは速やかに加水分解され、5分後には未変化体は認められず、フルルビプロフェンのみが認められた。フルルビプロフェンの血漿中濃度は6.7分後に最高となり(8.9μg/mL)、消失半減期は5.8時間であった。(ロピオンの添付文書より抜粋)だそうです。
ということでこの薬は、立ち上がりの鋭さが特徴かと思います。体感的には注射後10分もしないうちに、痛みが軽くなっていく感じがしました。
また、血管内に直接投与するため、初回通過効果を受けないというメリットもあります
初回通過効果についてざっくり説明すると、通常の内服薬の場合、飲んだ薬は胃を通り越して小腸から吸収され血管内に入るのですが、その後は必ず門脈と呼ばれる血管を経て肝臓を通過します。
肝臓では多くの薬物が代謝されされるため、そこで薬のパワーがダウンしてしまうのです
このことを、初回通過効果というのですが、どの程度初回通過効果でパワーダウンしてしまうかは、薬剤によって異なりますし、元々の肝臓の元気さや薬の飲み合わせによっても違いがでてきます。
ロピオンのように静脈内に直接投与する薬の場合は、肝臓を通過しないのでダイレクトに薬が効いて欲しい場所に薬を届けることが可能なのです
(前腕の静脈から入った薬は静脈血に乗り心臓に到達して、その後全身を駆け巡ります。)
一般的に注射薬がすぐに効いてくれて、効果が強く感じるのは、この初回通過効果を受けないせいなのですね
ちなみに、施設によってロピオンの使用基準は異なるかと思いますが、反復投与により用量依存性にの副作用の危険性が高まるため、1日の投与量は1日3回(3アンプル)までとなっていることが多いように思います。
術後っていつまで?という点に関しては、術式にもよるとは思いますが、私の受けた骨接合術の場合には、術後2週間までロピオンを使用できると説明がありました。
余談ですが、ロピオンは注射薬なので大抵は前腕の静脈から投与されるのですが、注射で薬が体内に入ってきた2、3秒後に、なんだか味がするんですよね
口の中に何かこう、もわぁぁっと膜が広がるような独特の感じがあって、看護師さんに「わぁ、ロピオンってこんな味がするんですねー。」と伝えたら、「そんなこと、初めていわれました。」と
えっ?!そうなの?!
毎回同じ感じがするので、絶対に私の気のせいではないと思うのだけれど、「ロピオン 味」で検索しても、それらしい記述は見つからなかったです
おそらくなのですが、ロピオンには精製ダイズ油が多く含まれているため(というかダイズ油に有効成分が溶かされたものがロピオンという薬剤)、血液に乗って味蕾に到達したダイズ油を私は知覚していたのかなぁと思いました
答え合わせするために、ロピオンを一度舐めて確かめてみたい