本日のテーマは痛みについて。
痛みはとても奥が深い分野なので、掘り下げようと思えばいくらでも書くことができそうなのですが、まずは痛みについての概要を。
痛みには大きく分けて以下の3つの種類があります。
- 侵害受容性疼痛(しんがいじゅようせいとうつう)
- 神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)
- 心因性疼痛(しんいんせいとうつう)
1つ目の侵害受容性疼痛というのは
炎症や怪我などによって、侵害受容器(しんがいじゅようき)と呼ばれるセンサーが刺激され、それが脳に伝わることによって生じる痛みです。2つ目の神経障害性疼痛というのは、
脳へと痛みを伝える神経そのものが損傷したり、神経の周囲に炎症がある際に生じる痛みです。
坐骨神経痛などがこれにあたります。
3つめの心因性疼痛というのは、
中枢神経障害性疼痛とも呼ばれており、平たくいうと、身体的な異常はないが、何らかの原因で脳が痛みを感じている状態です。
従来的には心理社会的因子が関与していると考えられる痛みを心因性疼痛と分類していました。
痛みが原因で、精神科を受診される患者さん(他科からの紹介)は、この診断名が紹介状に書かれていることが多いです。
痛みの原因が異なれば、治療法や効果的な薬が違うため、こんなふうに分類されます。そこで、
治療が必要な痛みってどんなもの?
痛みの程度はどう評価するの?
というのが本日のメインテーマです(前置きが長い)
結論を言えば、本人が痛くて辛いと感じたら、それはもう治療の対象です。
ただ、少しでも痛みを感じたらすぐ強い薬を使っていたら、もっと強い痛みを感じた時に、使える薬が限られてしまうということが起こり得ます。
なので適切に痛みを評価する必要があるのですね。
私の入院した病院では、痛みの評価にVASスケールを使っていました。
VASスケールとは、こんなものです。
(これは実際に私が頂いた説明用紙です。説明がわかりやすいので載せました。)
VASスケールとは想像できる最高の痛みを10とする、というものですが、ここにはとんでもない落とし穴が…。
私、陣痛の痛みを10の痛みと設定しました
するとあら不思議、陣痛に比べれば骨折の痛みも術後の痛みも、まあ大したことないわぁと思えてきます。
(実際は術後はまあまあ痛かったんですよー!!でも陣痛と比べれば、普通に会話もできるし、陣痛の半分以下の痛み?!と考えて、追加の薬は貰わず痛みに耐えていました。)
看護師さんは、こまめに痛みの程度を確認してくださいますが、『じっとしていれば2か3くらいの痛みかなぁ?動くと5くらいです』、なんて返答していました。
が、術後2日目の夜に、看護師さんが『痛みは我慢しなくてもいいんですよ?あまり眠れてないみたいだし、寝る前にロピオン(術後疼痛などに適応のある注射の痛み止め)使ってみますか?』と声をかけてくださいました看護師さん優しい
ものは試しということで、使ってもらったら、痛みがめちゃくちゃ軽くなりましたー
えーっ?!てことは今までの痛みは一体…ってなりました
ここで教訓を一つ。
痛みは我慢しても何も良いことはありません
痛い時は正直に伝えたほうが、きっといいことがあります