海軍宮崎航空隊赤江飛行場編、今回は宮崎空港南西側にある「1~4号爆撃機用掩体壕群」についてご紹介致します。
宮崎市から頂いた資料には『有蓋型掩体壕「本郷地区」1号~4号』と記載されておりますが、正式名称かどうかは分かりません。
前回、ご紹介した滑走路北側の3基の戦闘機用と違い今回は戦闘機用掩体壕になります。
赤江飛行場では以下の機種が使われていたようです。
「銀河」
「飛龍」
そして壕が並んでいる道路は、かつては滑走路迄の誘導路として作られた道が、そのまま車道として残っております。
当時は多分トラックで牽引していたと思う(人力では結構な距離と時間が掛かってしまいそう)が、何分くらい掛かったか気になるが、そういう記録は見当たりませんでした。
とは言え、爆撃機よりもスクランブル性が必要とされる戦闘機が滑走路近くに置かれているのは納得です。
さて、壕は北側から1号~の順番で続いており、僕はまずは1号掩体壕から訪問致しました。
こちらは勿論、民有地内ですので、壕手前にある事務所(建築会社だったか?)でご挨拶をして撮影許可を頂いてから中に入りました。
内部は・・・で・デカイ!という第一印象です。
なんせ、パワーショベルがまるまる中に入ってますからね、一緒に入ってる軽トラも小さく見えてしまいます。
上記の爆撃機はそんなにデカく見えないのですが、空間に余裕を持った壕設計だったんでしょうかね?。
もっとデカイ機種も入りそう・・・。
大きさに圧倒されてしげしげと眺めておりましたが、まだ残り3つと他にも旧軍遺構の探検が控えている日ですので、そそくさと1号掩体壕を後にして次へ向かいました。
さあ、2号掩体壕です。
中にはプレハブの建物と軽自動車がありますが、これも大きさがお分かり頂けると思います。
多分、軽を三台重ねても入りそうな感じ。
この壕、僕が訪れた時は正面に木柱等が積まれて物置スペース気味だったのですが、昨年、イベントに使われておりましたのを知りました。
これがそのパンフです。(画像2)
「掩体壕deフラメンコ」
・・・全く予期しななかった組合せに、「不思議」の一言しか感じませんでしたが、パンフの中の一節「スペインでは洞窟の中でフラメンコを踊っています」で、「へぇ~」と納得。
実際、スペインのアンダルシア地方グラナダには洞窟フラメンコがあるようですね。
ただフラメンコに特化せず、今回の趣旨は「壕の前で飲んで食べましょう~」という至ってシンプルなもの。
戦争遺跡との向き合い方は、大概、地元歴史学者か地元大学教授あたりが講師の堅苦しいセミナーや見学会というのが大体のパターンなのだが、このイベントのような触れ合いのほうが大勢の方々が自然に戦争遺跡を知ってもらう切っ掛けになるんじゃないかと思います。
もちろん壕のイベントは民間の人々で行われてます。
県や市はこんな発想、崖っぷちに追いやられても絶対できないでしょうね。
全く、戦争遺跡に対し保存に動かない自治体・お役人の無能さとは対照的に、民間の発想力に改めて日本の強みと、自治体・お役人に日本の病巣・ガンを垣間見た気がします。
だって国民・県民・市民の方々から頂いた貴重な税金で飯食わせてもらってるんだから、民間以上に頑張るべきじゃないのかな?
お役所仕事という勘違いはやめてもらいたいですよね。
役人(政治家もそうです)は改めて「国民の方々から頂いた貴重な税金で飯食わせてもらってる」という意識を再認識しないと、ホンマに日本を潰してしまうと思います。
全国的な戦跡保存の流れから取り残された宮崎県で、戦後70年過ぎた今、ようやく民間から始まったこの動きをあせらずとも少しづつでも大きくしていけるように頑張って頂きたいですね。
遠くからですが見守っていきたいと思います。
次回は残りの掩体壕をご紹介致します。
訪問時期
2015年11月