理科の先生方とリモート会議  2021年1月24日(日)

 

今日は、リモート会議があります。朝からソワソワしながら、準備をしました。これまで、教科書の編集会議は、大阪や東京でありました。京都でしたこともありました。みんなが集まって、顔を見ながら、原稿の検討をするのが当たり前だったのですが、昨年からはリモート会議になってしまいました。体力的には楽になったとも考えられるのですが、リモート会議は話しづらいものです。持ち寄って検討をしている時は、みんなで書いているという一体感があったのですが、今は、個人に任されてしまっていて、それを修正していくというような感じがします。統一したビジョンの共有ができているのか、少し心配です。30年近く教科書執筆に関わっているので、会社の編集部の人たちよりも詳しい部分もあります。

 久しぶりに、全国の筆者と顔を合わせました。学年別の会議だったので、当該学年担当の人たちとの編集会議です。全国各地の先生たちと距離感なく会議が出来ることは素晴らしいなあと思いました。自分は既に小学校の現場を離れているので、子ども達と日々授業をされている先生方と話をするのはとても新鮮です。

 現場の若い先生の場合、理科が専門と言っても、1、2年生には理科がなく、例えば6年間先生をしていても、担任の場合は、3~6年の理科を一回ずつ持つような確率です。12年間しても確率的には各学年2回の理科授業しかしていないことになります。最近若くして管理職になる人もいるので、12年間担任をして、優秀な人は36歳ごろから教える現場を離れて管理職になってしまう人もいます。私は38歳から附属小の先生になったので、59歳まで現場で子ども達と学習を続けることができました。また、附属小では7年間、理科専科教諭もしたので、3~6年生の全学年の理科を7年間担当しました。専科教諭の期間、理科学習にはかなり詳しくなりました。教科書に載っている全学年の実験観察を全て毎年進めていたので、問題点も見つかるし、改善方法も試行錯誤ができました。

 小学校現場を離れた今も、教科書執筆に関わらせてもらっているので、せめて自然観察からは離れないようにしようと思い、日々フィールドワークをしています。附属小学校の副校長を1年間勤めた後は、附属幼稚園の園児と自然観察を4年間することができました。園児と共に、自然発見をしたり、飼育したり、観察したり、採集をしたりする中で、季節の変化と共に変わっていく自然の様子を詳しく見ていく習慣がつきました。幼稚園は、午前中の勤務だったので、午後からはあちこち山や川沿いを歩いて、さらに自然観察もしました。この幼稚園に勤めた4年間も、かけがえのない理科学習の日々でした。小学校の先生の時以上に、野外をよく歩き回っていたので自然の生き物に詳しくなりました。

 小学校で子ども達とほぼ40年近く理科学習に取り組めたこと、幼稚園で園児と4年間自然観察を続けたこと、教科書の執筆に約30年間関わらせてもらいほぼ全単元を書かせてもらえたことなど、私は、とても幸せな理科の先生だったなと思えます。その時々に、精一杯理科教育に集中していたので、各地で講演をさせてもらい、海外にも行かせてもらい、いろいろな論文を書く機会もありました。これからは、その余力で、全国各地の自然観察を続けて、ブログで発信していこうと思っています。子ども達がタブレットを持つようになり、自然観察の発信を写真でしていくお手伝いができるといいなあと考えています。若い先生と話をするとき、昔は頑張っていたということではなく、今、何をしているのかが大事です。若い先生には時間的にできない自然観察の発信を、しばらく続けようと思いました。