本は動かしながら読むということ 2020年11月4日(水)

 

 仕事をしている頃は、月が変わっているのにカレンダーをめくらないまま10日も半月も過ぎていることがよくありました。最近は部屋にいる時間が多く、きちんと毎月の1日には、新しい月のカレンダーになっています。

 昨日は、齋藤孝さんの『思考中毒になる!』という本を読みました。とても読みやすい本で、一気に読んでしまいました。この本では、「考え続ける」ということは、いろいろな仕事や生活の質をどんどん高めると書いていました。30分置きに、考えていたことをメモしていくようにするとよいということです。齋藤さんは、スマホにメモをして、それをあとでまとめて文章にしておられます。おそらく齋藤さんは、本当に毎日そのような生活をされているのでしょう。「○○をするにはどうすればよいのか」を、問い続けて、いろいろな発想を出していくこと自体を日々楽しんでおられるようです。問いを持つことは、考え続けるためには大事なところです。また、本や資料を読むところでは、かつてベストセラーになった3色ボールペンで線を引くことも続けられていました。赤は非常に重要、青はまあまあ重要、緑は興味を持った、面白いと思ったという所に線を引きます。なぜみんなが、そのようにしないのか、不思議なぐらいだとも書かれています。漫然と本や資料を読んだり、ボーッと会議の話を聞いていたりしないで、3つに分類していくことで、問いを持つことができるということです。齋藤さんは、本をこれまでに800冊も書いていて、常に書いている本の「問い」の部分を考えている生活をされているのだろうと思います。日々の問いのある生活を発信すること(書き続けること)自体が、生活そのものであるという感じを受けました。私の手帳は、「予定」と「したこと」しか書いていないのですが、「問い」「考えたこと」「思ったこと」も書くようにしたいと思いました。小学校の学級指導の時は、今月のめあて、今日のめあてと、問いにちかい「めあて」を持って、どのようにすれば「めあて」を守れるのか考え続けていたことを思い出しました。手帳に問いは難しいけれど「めあて」は書くことはできます。

 今日は、鎌田浩毅『読まずにすませる読書術』を読みました。鎌田先生は、東大の地学科を卒業して、通産省地質調査所、米国内務省カスケード火山観測所を経て、京都大学の教授をされています。火砕流の専門家です。この本は、地質学の本ではなくて、本の読み方、整理の仕方について書いた本です。まず前書きには、本に読まれてしまっている、本疲れを起こすような読み方から抜け出して、一生楽に本を読める読書法を身につける方法を伝えたい、と書かれています。そのためには、家の本をまず減らすこと。将来読むかもしれない本は、今読まない本として処分するようにということです。読みたいときに、また買えばよい、図書館で借りればよいということです。大幅に本を減らすと、気分的にもスッキリするし、実は何も困らないとも書いています。本を動かしながら(フローしながら)本を読むことが、読書では大切だということです。また、難しい本は書いた人が悪い、難しい本を必死に読む必要はない、専門用語が多い本は飛ばして読む、自分の必要な所だけを読むので十分だということも書いてくれています。最近少しそのように読んでいて、そうそうと思いながら読めました。アップルの創業者の一人スティーブ・ジョブズは、17歳のときに「毎日をそれが人生最後の一日だと思って生きれば、そのとおりになる」という言葉に出合ってから、今日一日という時間で何をすべきか見極めて生きてきたということです。例えば読書でいうと、一冊の本のどこを読んでどこを読まない、また、どの本を読んで、どの本は読まないというのも、自分で選択しながら読むことが大切だということです。読まない自由、飛ばして読む自由、面白くない本や難しい本は途中でやめる自由は、全て自分で決めることができるということです。その通りです。飛ばし読みで十分だと思いました。今、毎週図書館で5冊ほど借りていて、フローしながら本を読んでいるのが、いい感じの習慣になってきているので、この本に書かれてある通りだなと感じます。家の本を、少しずつでも処分していかなければいけないなと思います。