エドテックという言葉が教育界に  2020年8月26日(水)

 

 エドテックという言葉が造語されて、教育分野で使われ始めています。知りませんでした。先ず、新聞記事を引用します。

 「●政府は人工知能(AI)を使って、全国の小中学校で児童・生徒の理解度に合わせて授業内容を組み替える「個別学習計画」の支援に乗り出す。情報技術(IT)など先端技術を使った教育サービス(EdTechエドテック)を学校現場に導入する足がかりとする。EdTechとは、最先端技術を使った教育手法で、Education(教育)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、児童・生徒の理解度に合わせてAIで教材を作成したり、仮想現実(VR)を使って生物の構造を教えたりすることが想定されている。全員が一律で行う授業は基礎学習にとどめ、十分に理解できるまで繰り返し教える。理解が早い児童・生徒は、より難しい問題に取り組めるようにする。政府のエドテックの補助金を活用する。新型コロナウイルスの感染拡大などで対面の授業に制約があり、ITで最適な学習計画を立てられるようにする狙いもある。教員も理解度を共有し、学力差や学習指導要領で決めている「標準授業時間数」に与える影響などを見極める。

 全国に先駆けて福島県大熊町の小中学校で25日から始める。算数・数学の問題を解くのにかかった時間などをAIで分析し、1人ひとりの苦手や問題や得意分野を洗い出す。理解度に応じた教材を使ったり、自分で学習計画を立てたり、自らテーマを決めて課題に取り組んだりする。理解が早い児童・生徒は、上級生の問題を解く。

 AIを使った教材は、オンライン教育サービスを手掛ける「COMPASS」が提供する。数学や算数は、学年ごとに学習内容が決められており、タブレット端末で解答する。AIが十分に理解していないと判断すれば、別の問題が再び配信される仕組みだ。

 経済産業省によると、奈良市などがAIを活用して理解度に合わせた個別学習を導入しているが、政府が公立校の授業の組み換えにAIを全面的に活用する支援を行うのは初めてという。」

➡COMPASSとは、河合塾が手掛けるAI教材のようです。

➡経済産業省が進めているのでしょうか。次のようなネットのページを見つけました。

 

「●学校・教委がICT教育を充実するチャンス、経産省の「EdTech導入補助金」とは3月に発表された経済産業省の「EdTech導入補助金」だが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う休校措置や緊急事態宣言による影響で募集期間や内容を変更して6月5日から7月17日まで募集が行われることになった。

●5月25日に「EdTech導入補助金事務局」から発表された「EdTech(エドテック)導入補助金 令和元年度補正 先端的教育用ソフトウェア導入実証事業 『公募要領』」を元に、学校や教育委員会がICT教育整備に活用する方法を探ってみる。コロナ休校を経て、オンライン授業などICT教育が見直されたことで、補助金の上限額が1校当たり200万円に増額となっているし、対象範囲も拡大しているので、一層有効活用が望まれるところだ。ただし、パソコンやタブレットなどの情報端末や通信設備などハードウェアは補助対象にならない。あくまで今回の対象となるのは、ICT教育の中身だ。

●「EdTech導入補助金」の目的について『公募要領』には下記のように記されている。Society5.0 時代における教育現場では、個別最適化された格差のない公平な学びと、プログラミング教育をはじめとする創造性を喚起する STEAM 学習を構築することが必要であり、そのためにはパソコン端末や高速通信網等の ICT インフラの整備と併せ、教育産業等が開発する EdTech(エドテック)サービスの学校等における積極的な導入が効果的である。本事業では、EdTech ソフトウェアや IT を活用した教育サービスの学校等への導入実証を行う事業を実施する者に対して事業費等として必要な経費の一部を補助することにより、学校および学校等設置者と教育産業の協力による教育イノベーションの全国的な普及を後押しすることを目的とする。

「EdTech導入補助金」は、教育現場のICT活用を推進するためのものだが、学校や教育委員会が申請するものではない。本募集は、『公募要領』に掲載されている下記の図のうち、EdTech 導入補助金事務局(一般社団法人 サービスデザイン推進協議会が運営する)が、EdTech 事業者(補助事業者)の公募を行うもの。申請するのはEdTech事業者(企業)である。

●具体的には、学習管理・授業支援 (LMS)に分類される、教職員や児童・生徒間で学習データや回答・発表などを共有・管理することで、学びの効率化や協働作業等を促すもの。個々の児童・生徒の資質・能力を高めるために、または教職員が指導内容の発展や学習支援の円滑化のために用いる学習支援コンテンツ・サービスに分類される、オンライン学習ツール・学習動画・EdTech事業者が実施・提供する遠隔授業サービス、協働学習、ドリル教材、AI教材、プログラミング教材等。そして、特定の教科にとどまらない発展的な学びを促すもの。また、前述のソフトウェア・サービスと併せて導入実証を行う場合のみ対象となるのが、教職員の業務負担軽減や校務の統一化・標準化・業務改善など、学校内の諸業務を効率化する「校務支援ツール」と、学校と児童・生徒・保護者間で使用する掲示板やチャット・SNS 等での連絡のための「コミュニケーションツール」だ。

●それでは、学校や教育委員会では何をすれば良いのか。このリストには5月29日時点で73社登録しているので、眺めるだけでも大変だ。細かな字で書かれたこのPDF資料には「事業者名」「取り扱いEdTechソフトウェア・サービス 概要」「ホームページURL」「お問い合わせ先」が記載されている。サービスの概要から使ってみたいEdTechソフトウェア・サービスを探し出し、ホームページにアクセスして内容を確認し、問い合わせ先のメールアドレスに興味のある旨を送信する。事業者とビジョンが一致すれば、導入計画の協議・策定へ進むことが出来るだろう。」

 

➡学校現場と、塾の技術との融合のような取り組みのようです。企業の技術が、公立小中学校の教育に活用されて、子ども達の個別の学習進度、先生方の成績管理などをお手伝いするというような授業システムの提供が目的です。

➡2022年度からの小学校5・6年生の教科担任制、2024年からのデジタル教科書、そして、エドテックと言うようなAIを使った個別学習など、コロナ感染拡大後の教育はどんどん変わろうとしています。知識、技能中心の教育になってしまわないよう、思考力を大切にした教育を目指したいものです。